第9話 眩しい光

 くるりくるりとその子は回る。スカートの裾をふわりと広げてくるくる回る。


「ねぇ、すごいね。足元一面星空だよ」


 嬉しそうに笑うその子は足元の星を蹴った。星が、舞う。


 辺り一面星だ。星しかない。暗闇の中にいるはずなのに、一面の星の光のせいで明るい。眩しいくらいに。


 星を両手ですくって、その子は星を飲む。飲んだその子の体は、発光している。


「ふふ、美味しいかどうかはよくわからないけど、すごいね。私まで星になったみたい」


 僕も両手で星をすくって口に含んだ。そのままその子の前に立って、その子に口付ける。


 口伝いに星が流れていくのがわかる。口を離すと、その子の喉元から光が胸元へ伝っていく。


 眩しくて、僕は一瞬目を瞑った。その眩しさは星のせいじゃなくて、きっと君の儚い美しさのせいだ。







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