妄想旅行日記
プロトタイプ:カラ子
ぱーと0その1 5/29 出発
≪まつもと~~まつもと~~≫
ホームに降り立つと、列車が到着したことを知らせるこの駅の名物な合図がきこえてくる。
乗ってきたのは、朝に走っている「あずさ」な快速列車である。つまり、特急車両に特急料金を払わずに乗れる乗り得列車である。
「非常に快適であった」と姉がかしこまったように言う。
「なぜにその口調?たしかにめっちゃ快適だったけど」と返す。
「なんとなく。というか突っ込み待ち?」
「なぜに疑問形?というか突っ込み待ち率高くない?」と聞いてみる。
「そうかもしれないな~やっぱりのいちゃんに突っ込んでもらわないと張り合いないしね」なんて言っている。
そんなこんなで気づいたら駅を出てバスターミナルについていた。建物と一体化したターミナルである。
バスを待っていると「松本空港」という行先表示を掲げたバスがやってきた。
「ワクワクしてきた。しのねぇは空港に行くとわくわくしない?」
「するよ~これから旅行だッッて気合が入る!」
「おぉお」
姉の気合に背中を押されつつバスに乗り込み空港へ向かう。
そもそもどうして、空港に向かっているかというと事の発端は、しのねぇがキョウ姉ぇにかけた電話である。
「もっし~キョンおひさ~」
「おっす、しのっちどうした~?」
「こんどさ」
「ふんふん」
「家の、のいかとキョンとアスカチャンの4人で旅行行かない?」
「ほうほう、じゃあ、今、明日香もいるからスピーカーフォンにするね」
「う~す。アスカチャン元気してた~?」
「元気ですよ!」
「そいでね、家の、のいかとキョンとアスカチャンとで旅行に行こうとね話してたところなのさ」
「いいですけど、どこにいくんです?しの姐ぇの言いだしたことなんでまたネタ旅なんでしょ?」
「よくお分かりで!!!」
「そこは3つもいらないよ!」
「キョンはつれないな~」
「で、今回のネタは何?」
「ズヴァリ!スイカ旅!」
「えっと、スイカでも食べ歩くんですか?」
「んなわけないよなぁ」
「Suicaをはじめとする交通系ICカードを使って旅をするって企画さ!」
「いわゆる10カードってやつかい」
「そうそうそれを総称してスイカってことにしてみた」
「ほぇ~、んで、レギュレーションは?」
「スイカでの支払いおよび、スイカで購入した乗車券類のみを使用する」
「ほほぉ、おもしろそうだなぁ」
「なら決まりだね!2週間後鹿児島集合で北海道を目指すよん」
「日本縦断すんの?マヂデスカ」
「まあ、時間なら余るほどあるし?」
「まあね」
「てことで、じゃあまたね」
ガチャ・・・ピーピーピー
「これでキョンたちを巻き込んだことだし計画たてんよ~」
「しのねぇの顔がわくわくてかてかしとる」
「ふひひ」
てなことがあったわけなんで、本日は2週間後の6/12月曜日なのだ!鹿児島に行く日なのだ!!
なんてテンションが上がっているうちに、小さなかわいい空港に小さなかわいいオレンジな飛行機がおりてくるのが見えてきたのだった。
妄想旅行日記 プロトタイプ:カラ子 @prototype_karako
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。妄想旅行日記の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます