枯葉
深緑
プロローグ
落ちていく。
森羅万象、この世界にある形のあるものもそうでないもすべてが平等に朽ちていくものだと僕は思う。しかし、朽ち果てた先にある現象については、自然の摂理で再生されるもの、されないもの、輪廻転生されるもの、されないもの様々で、そこに平等性は保たれないとも思う。暗転。
なんでこんな時にと思った。なぜか唐突に小学校の理科の授業の時間に考えていた事を僕は思い出したのだ。
青々とした葉っぱが段々と、そして少しずつ色を変えていき、次第には掴まっていた枝を掴む力が無くなり、ひらりひらりと地面へと落ちていく。落ちた葉っぱは次々と落ちてくる葉っぱに覆い被さられてしまう。そこに雨が降ってきて、重みが増す。雨が止むと、葉っぱと葉っぱ隙間や地面の土の中から何かが蠢きだし、それらは葉っぱを食らい、いよいよ葉っぱは葉脈だけになってしまう。その後は再び雨が降り、葉っぱは時間をかけて土になっていく。土は新しい命を生みだす。そして、その新しい生命はまた同じように朽ち果てるまで生き、また新しい命を生み出す。
僕は、自宅マンションのベランダの柵を乗り越え、目を瞑り、ひとつ息を吐いて、飛び降りた。
枯葉 深緑 @Myrockofthedead
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