警察だ!

Danzig

第1話

警察だ


ロサンジェルス郊外の住宅地

凶悪犯の逃亡者がこの辺りに逃げ込んだとの通報を受けて

二人の警察官がパトロールをしている


トム:警部、次はこの家ですね。


警部:あぁそうだな、行こうかトム


トム:はい、警部


ピンポーン ピンポーン

2度ベルをならす


レイチェル:はーい。 どちら様ですか?


トム:警察です


レイチェル:警察・・・さん?


トム:はい、この辺りで怪しい人物を見かけたという通報がありまして

トム:少しお話をお伺いしたいのでドアを開けていただけまか?


レイチェル:(当然のような口ぶり)嫌よ


トム:どうしてですか?


レイチェル:知らない人が来たら、ドアを開けちゃいけないのよ。

レイチェル:あなた知らないの?


トム:いや、それはそうですが、私たちは警察ですから

トム:のぞき窓でいいので開けてもらえますか、

トム:警察手帳もお見せしますので・・・


レイチェル:のぞき窓なんて、高くて届かないわよ


トム:では、ドアを少し開けていただけませんか


レイチェル:嫌って言ってるでしょ


トム:そんな・・私達は警察なんですよ

トム:警察手帳もお見せしますから


レイチェル:警察なんて人、知らないわよ


トム:いや、警察というのは名前じゃなくて、お仕事です。


レイチェル:まぁ、どんなお仕事なの?


トム:悪い人を捕まえたり、パトロールしたり・・・


レイチェル:あなた嘘つきね


トム:どういう事ですか?


レイチェル:そういう仕事をするのは、警察さんじゃなくて「お巡りさん」よ


トム:だから、私はお巡りさんなんですよ


レイチェル:ほら、さっき警察さんって言ったばかりじゃない、嘘つきね。


トム:いや、そうじゃなくて・・・


警部:(小声)トム、何をしてるんだ


トム:(小声)警部、もうここはいいんじゃないんですかね


警部:(小声)ダメだ、逃亡者は5人も殺害している凶悪犯だぞ、

警部:(小声)それがこの辺りに向かっていたという通報があったんだ。

警部:(小声)もし、犯人がこの家に立て籠って、この子に演技をさせてたらどうするんだ!

警部:(小声)絶対に開けさせろ

警部:(小声)このままだと、また今年も昇進はなしだぞ


トム:(小声)わかりました警部




トントン(ドアをたたく)


レイチェル:何?


トム:とにかく、少しでいいのでドアを開けてください。


レイチェル:嘘つきは泥棒の始まりよ。 お巡りさんに捕まっちゃえばいいわ


ドンドン(ドアをたたく)


トム:お仕事なんですよ、協力してくださいよ


レイチェル:じゃ、誤って


トム:へ?


レイチェル:私に嘘をついた事を誤って。


トム:いや、私は嘘なんてついてませんよ!


ドンドン(ドアを強めにたたく)


警部:トム、何をやってるんだ、さっきから


トム:警部ぅ

トム:この子が、話を全然聞いてくれないんですよ


警部:まったく・・・

警部:そんなんだから、お前はいつまでたっても(アドリブ)なんだ


トム:すみません・・・


警部:仕方がない、私が変わろう


トム:・・・お願いします、警部


トントン(ドアを軽くたたく)


警部:お嬢さん


レイチェル:レイチェルよ


警部:レイチェル・・・

警部:おじさんの話をよく聞いてくれないか


レイチェル:あなた・・・誰?


警部:私はロサンゼルス市警のロ・・


レイチェル:パパ?

レイチェル:パパなの?

レイチェル:パパなんでしょ?


警部:え?

警部:いや、私は君のパパじゃない。

警部:私はロサンジェルスしけ・・・


レイチェル:いいえ、パパよ。

レイチェル:私には分かるわ。私を脅かすつもりだったのね


警部:いや、そういう事じ・・・


レイチェル:パパ、私ね、今日は一人でお留守番なのよ


警部:そうか、レイチェル。 それは大変だね。

警部:まず私の話を・・・


レイチェル:でも、パパはきっと帰ってくるって思ってたのよ


トム:(小声)警部・・・・


警部:(小声)違う!、違うんだ!

警部:(小声)断じて違うぞ。

警部:(小声)それに私は(アドリブ)だ


トム:(冷めた口調で)あぁ、そうでしたね・・・


レイチェル:パパ、どうしたの?


警部:いや、レイチェル、私の話を


レイチェル:パパ、どうして突然、私を置いて出て行っちゃったの?

レイチェル:ママは何も話してくれないし、私寂しかったのよ


警部:レイチェル・・・


レイチェル:私、ずっと泣いてたわ

レイチェル:パパはもう、私の事を嫌いになっちゃったのかなぁって・・・・

レイチェル:ずっと泣いてたのよ


警部:レ・・・

警部:すまないレイチェル

警部:そんなつもりじゃなかったんだ


トム:(小声)何言ってるんですか警部


レイチェル:ううん、いいの・・・

レイチェル:きっとパパにも事情があったんでしょ


警部:いや、レイチェル

警部:何を言っても、君に寂しい思いをさせた言い訳には、ならないさ


トム:(小声)犯人どうなってもいいんすか


警部:私はなんて事を・・・


トム:(小声)警部!


レイチェル:いいのよパパ、

レイチェル:自分を責めないで

レイチェル:これからはずっと一緒にいられるんでしょ?

レイチェル:それだけで私は幸せだわ


トム:おーい


警部:あぁ、ずっと一緒さ

警部:もう君を、一人になんてしないさ


レイチェル:パパ!


トム:けいぶー


警部:そうだ、レイチェル!

警部:今度の休みに二人で遊園地に行かないか


レイチェル:まぁステキ!


トム:おーーーい


警部:沢山、乗り物にのって、美味しいお菓子も一杯食べよう


レイチェル:ゴーカートも?


警部:ああ、


レイチェル:コーヒーカップも?


警部:そうさ、


レイチェル:風船も買ってくれる?


警部:もちろんだよ


レイチェル:嬉しいわ


トム:何やってんすかーー


レイチェル:パパ

レイチェル:私、パパと一緒に映画も見たいな


警部:いいじゃないか。 じゃぁ映画にも行こう


トム:おーい、ばかけいぶーーー


警部:指定席のチケットを買っておくよ


レイチェル:ポップコーンも食べたいな


警部:バターをたっぷりかけた、塩味だろ?


トム:(アドリブ)


レイチェル:分かってるわね。さすがパパだわ


警部:そりゃそうさ

警部:何たって、私は君のパパだからね!


トム:(アドリブ)


レイチェル:パパ大好き~


警部:さぁ、レイチェル、一緒に踊ろう!


トム:(アドリブ)


レイチェル:パパ~


警部:あはははははは

レイチェル:あははははは


トム:(アドリブ)


完了

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