降嫁　-数宮様御下向記-

　とある名家の下働きとして、貧しくも幸せに暮らしていた少年・フウタ。しかし、主家と縁の深い姫君が、遠く東の果てに嫁ぐことが決まったことから、彼はその姫に“換わって”数奇な運命を紡ぐことになる……。

　エセ時代劇的立場交換物。ある意味、『かげむしゃひめ』（https://kakuyomu.jp/works/16817330651054155543）の同工異曲と言える作品です。公家とか武家の礼儀とか格式とかを正確に描写するには知識が不足しているため、｢陽ノ本という島国を舞台にしたなんちゃって仮想時代物｣の体裁をとってます。御簾？　お歯黒？　知らない子ですねぇ。

　ちなみに発想の元は、有吉佐和子先生の時代小説で、ドラマ化・舞台化もされている『和宮様御留』（原作の他、斎藤由貴版を見ました）。結末…続きを読む