怪奇談話【先輩が目撃したもの】

こーたろ怪談

怪奇談話【先輩が目撃したもの】

「こないだ変なもの見たんだよ〜」先輩が話してくる。何でも帰宅途中踏切でSLの汽笛が聞こえ、近づいてくるそれには車体の側面からムカデのように無数の人の手足が生えており、窓から乗っている乗客たちが一様に首を出し彼女に向かって何かを言っているのだそうだ。

いくら都心から離れてるとはいえ、SLは今の時代早々見かけない。

それにもっと不気味な点がある。

当時は夕方で周りには踏切を待つ人が大勢いたのだが、列車が通るタイミングで数名が遮断機をすり抜け踏切に入り、そのまま列車に吸い込まれていったのだ。

彼女は呆気にとられ思わず周りを見渡したが、そこには何事も無く踏切を待つ人が各々立っているだけであった。

その後彼女は休暇を取ったまま出社しなくなり、本人不在のまま退職扱いとなってしまった。

その頃からなのだ。私の家に百足が沢山出るようになり、夜中には「○○さ〜ん」という声と共に体は百足で顔が件の先輩という異形が現れている。

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怪奇談話【先輩が目撃したもの】 こーたろ怪談 @kotaro_kaidan

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