エピローグ

雨の降る中しめやかに営まれた山井の葬儀には、新田姉妹や河野の姿もあった。

火葬が終わり、呆然と立ち尽くす河野の背後から、井口が声をかけた。


「お久しぶりですね河野さん。これ、お伝えしていたものです。」


涙で目を腫らした河野は、井口から薬剤が入った封筒を受けとった。


「はい、確かにお渡ししました。明日、ご自宅までお伺いしますね。

あ、一応、合鍵は作ってあるので、施錠はお任せします。」


「…はい。」


「それでは、ご利用ありがとうございました♪」

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