あの夜を忘れはしない、大切なことは言葉にならない、夏の日に起きたすべて

ちょっと不思議なボーイミーツガールの話。
夏の素敵な思い出を感じさせる。

本作は、子供の視点がよく書けている。
小学二年生というのは、七歳か八歳。
できることは限られているし、物事の分別が上手くつかない年齢。
そんな幼い子供の心情が、良くかけている。

家に帰らないとなったとき、なぜ生まれ変わりの話をするのか。
自殺しようと考えているから、今度生まれ変わったらを考えたくなったのだろう。

少年は、大きくて強いものに憧れるということは、いまは小さくて弱くて非力だと認めているのだ。
だから母と喧嘩して家出している。

一方おねさんは、「お姉さんは幸せなお嫁さんかな?」と答えている。
自殺に多い至った原因は、恋愛絡みかもしれない。
自身の恋愛か、あるいは両親の関係がうまくいっていないことが原因か。
次は幸せなお嫁さんになって幸せになりたいと、強く望んでいるに違いない。

「これが僕の海の幽霊とのお話である」と締めくくられている。
約束どおり少年はお姉さんをお嫁さんにしたのだろう。

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