あなたは解釈違いです。
青白
1
「
「ぶっ殺すぞ」
今まで受けた史上一番最悪な告白だった。引っ叩きそうになったのを堪えたのは褒めてほしい。
朝日川
「……
「本気だし、要件はもう伝えたわ。それで理解できないほど、あなたの頭って悪かったりする? それなら今の話はなしで」
「よしわかった。殺す。歯、食いしばれ」
その綺麗な顔を吹っ飛ばそうと、グーを握った手を振りかぶる。
「毎週末、土曜日だけデートして。一回五万円、終わったその場で手渡すわ」
そう口走られて、殴り飛ばす寸前で英美は手を止めた。
「一回五万……? 土曜だけで? ちなみに時間は?」
「十一時から、そうね十五時までにしましょうか。延長なし」
「……もうちょい金額に色つけることは?」
「足りなかった? じゃあ十万円で」
「いや、いい! 五万円で!」
平然ととんでもない金額を提示してくる彼女に、逆に英美が怖気付いた。
「それは引き受けてくださるってことでいいのかしら」
「ほんとに払えんの? あたしのこと馬鹿にしようとしてない?」
「言うと思ったから、これ前金」
彼女が封筒を差し出してくる。おそるおそる受け取って中身を覗けば、折り目もない一万円が五枚入っていた。
「……わかった、引き受けるけど。あたしが嫌になったらすぐやめるかんな」
「それで構わないわ。必要なものは全部こっちで手配するから。じゃあ行きましょうか」
彼女が手招きして歩き出す。訳もわからず付いていった。
「は? どこ行くんだよ」
「当日あなたが着る服を用意するから、寸法を測らせてもらう。あと設定書渡すから。それ読んで、ちゃんと演じてね」
横を歩く表情の変わらない顔は本当に何を考えているかわからない。が、この後彼女のどでかい屋敷に連れて行かれ、使用人らしき女性に丁寧に英美は寸法を測られた。
箱盾
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます