作者の表現で『水』が深く清く貌を持つ

流れゆく形のない水、沢、大河。その存在に焦がれ、自身の居場所を迷う結が本当に清らかで儚げで可愛らしい。自然そのものを表現する描写力はさることながら、その『画』に奥行きを持たせる語彙力とリズム感がまさに乾いた喉元に水を流し込むように心地よい。

結はなぜ人の世に馴染めないのか。その答えを龍神は知っている。なぜ龍神は結に優しいのか。その答えを達は知っている。

最終話を読み進める最中、高揚していく気持ちで先を読む手が止まらず、そして最後の達のセリフ。

ガッツポーズです。

皆様もぜひ、流れゆく物語にどっぷり浸かってみてください。