第3話

「はぁ…はぁ…皆様!驚かないでください!このように新世界に適合した人間、選ばれた人間は超常的な力を手にすることができます。そして恐らくですがこの力を持った人間が増えればこのように謎の雨で強化された生物に怯えることのない生活ができます!」

外面を取り繕いまくって実演するために喧嘩しましたよっていうふうに誤魔化す。怖い印象は持たれたくないからな。理由なんて特にない、ノリと勢いです。なんて到底言えないもんな。


少し疲れたが伊織と話したいことが何個かある連れて行くか。

「よお、いい戦いだった。少しあそこの体育館準備室で話さないか?伊織忠文。」

「お前こそいい能力持ってんな。賛成だ少し話そう。ただ少し待ってくれ。力が出ないし、一気に魔力かなんかを使いすぎて筋肉が硬直したみたいに魔力がおかしくなってめっちゃ気分が悪い。」


10分ほど待った後伊織が喋り始めた。


「そろそろ話そう」

「やっとか」


ゆっくりと体育館準備室に向かう。


「まずは改めて自己紹介から。俺の名前は小金沢聖。聖と書いてたかしだ。年齢は15歳。もうすぐ高校に入る予定だったこの学校の卒業生だ。身長は178cm、体重は67kg。」


「俺の名前は伊織忠文。年齢は17歳。少し遠いところにある名門高校に通ってる。身長は181cm体重は知らん。俺の目標はこの新世界でスタートダッシュ切ってまじでいい地位に立つこと!あと、あの戦いは最高だったな。対人戦の練習としてあれ以上のものはない」


謎の友情が芽生えていたようだ。俺も伊織のことを敵だとは感じてないが。


「お前スキル何個持ってる?俺はユニークスキルの【方向転換】と【岩魔法】、【目力】、そしてさっきの戦闘が終わった直後に手に入れた【風魔法】の四つだけど」


まじかよこいつ。俺なんてユニークスキル一つしかないのに。あと、自分に追加された属性を離さないのはずるくないか?


「少し待て、その前に自分に追加された属性を教えてくれ。ちなみに俺は”金”だ。俺の耐久力はこの属性のおかげで上がった。」


「属性?そんなもの知らないな。それよりスキルを教えてくれよ。」


え?もしかして属性追加されることって珍しい適合者の中でもさらに珍しいのか?なんか嬉しいな。


「俺のスキルは【コイン】一つだ。でもこれ一つでいろんなことができるから俺はこのスキルだけで十分だしこんな性能なら他のスキルを覚えられなくなるデメリットがある可能性も考えてる。」


「お〜。つまりはスキルの数は一つってことだな?よし!勝った!」


「強すぎるスキルのデメリットの可能性があるって言っただろうが。」


おい。ちゃんと話聞けよ。

この話はなんか嫌だから話題を変換しよう。話題は…そうだな。どうせ話すことになるだろうこの地域の強者である責任の話。言い換えると此処を守るか。そこら辺の話だな。


「話は変わるが俺たちってこの避難所では多分一番強いだろ?」


「ああそうだ」


「ということは此処にいる限り此処を守る義務があるってことだ。強者の義務ってことだな」


「そう言う話は勘弁してくれ。面倒だし自分より何倍も年上の人がいる中でそんな責任を負いたくない」


そう言う考え方か。まあわからなくもないけど実際問題強者が守るか他の人たちが育つかしないとまずいことになると思うんだよな。


「何より俺はこの新世界でトップになりたい。知名度でも、地位でも、強さでも、だから同じ場所にずっと居るのは居るのは悪手だと思う」


ものすごく真剣そうな顔で伊織はそう言ってきた。

でもそれって皆が混乱してる今いうことか?物語とかだとそういうセリフって新世界開始後1週間とか1ヶ月とかたった後じゃないと言わなくない?まだ新世界開始から2時間も経ってないぞ。少しムカついてきたな。


「まだその判断は早すぎないか?」


「もちろんすぐというわけではないけど俺はまじでトップになりたいから時間が足りないんだ。」


真面目に真剣に言ってるのが少しタチ悪いんだよな。責めるわけにもいかない。けど個人的な感情の問題としては此処に止まった方がいいのにな、とは思う。




と、少し揉めそうな空気を断ち切るためかもっとやばいもんが来た。

「ドガガガ」

体育館に何かバケモンが来たみたいだ。


急いで現場に向かうとそれは、神秘的なほどに深い緑色をしている体長4mくらいのカエルだ。


疲れてるからやめて欲しいけど戦わなきゃ多分俺含め何十人かが死ぬからな。いっちょやってやりますか。

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俺のユニークスキル【コイン】があまりに異質すぎるから勢いで終末日本を救おうと思う わっしゃ @kekekn

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