第2話
気分がアガってきた。次は何をコインにしよう。
少し歩いた後にタバコの吸い殻があった。これだな。
コイン化するのに必要な表の数は一回だけみたいだ。
「チャリン」
コイントスをする。また成功みたいだ。
タバコの吸い殻がコインに変わる。縁の色が金色、中央の色は灰色と赤色だ。タバコの吸い殻の柄をしている。これもまたいい見た目のコインだ。
もういいかな。背筋をピンとさせて堂々と自称適合者に向かって歩く。少し演出を加えるか。
「やあやあやあ。俺も適合者なんだよ。もちろんユニークスキルも持ってる。ちなみにこれが俺のユニークスキルさ!」
電池のコインを使うか。威力調整はできないけどなんとかなるだろ。表か裏かは運任せこのスキルの1番の力の初陣だ。近くにはもう奴しかいない。周りにいた人たちは空気を読んだのかどいてくれた。
「コイントス!裏だ!」
いい感じにコイントスをしたら裏が出た。
雷属性の裏ってことは風属性あたりか。そんならバズーカーのような風をぶっ放せ。
「攻撃を仕掛けてきたってことは攻撃をしていいんだよな?なら攻撃をする前に一つ自己紹介をしておく、俺の名前は
主人公っぽくていい感じ自己紹介をしてるけど突風で髪も服もやばいことになってるぞ。どう言う目で見ればいいのかわからんよ。
「ついでに俺の自己紹介もしておくか。俺の名前は
なんかわからんが気分がどんどんアガってくる。いい喧嘩ができそうだ。
「自己紹介も終わったところで俺の反撃だ!あっち向いてホイ!」
伊織が変なことをした瞬間、風の方向が変わった。下方向に。
まじか視線誘導じゃなくて方向を変える系の能力か。普通に強いしなんなら最強格の能力かもしれん。
「まだまだ行くぞ【岩魔術】岩槍発射」
こいつスキル複数持ってんのかよ。それかブラフか?どちらにしても普通にこいつがこの避難所のリーダー張っていいんじゃね?俺がなる予定だったけど。この勝負に勝った方がここのリーダーになる、なんとなくそんな予感はしてる。だから俺がニーダーになるな。勝つから。
ゴツゴツとした槍が小学生の自転車くらいのスピードでまっすぐ向かってくる。ただ俺は避ける気はない。コイン化したいからな。
しかし伊織も直接殴りかかろうとしてくる。さらにさらに足がはやいからすぐに距離を詰められる。どうしようか。
とりあえず何回連続で表出したらコインにできるか見てみるk…4回!?4回全部表の確率って6.25%じゃねーか。まじかよ、とりあえず五百円玉を4枚伊織の目玉を目標にコイントス!
「チャリン。チャリン。チャリン。チャリン。」
表、表、裏、表。う〜ん残念。ブンブン首を振ったキモい走り方でコインも全部避けられた。攻撃を甘んじて受け入れ…るわけないよな。走ってくる伊織を掴んで俺にぶつかってくる岩槍にさらにぶつける。そういう算段だ。
「いたっっっっ。それでも!道連れだあああああああ!」
アドレナリンが大量に分泌されてハイになっている。
「俺のユニークスキルを忘れたか?地に伏せろ!あっち向いてホイ!」
視線誘導、そして岩の方向を俺を潰すように下に変えた。適合者になったおかげか属性:金のおかげか身体が強く硬くなった今だからこそ耐えられるけど昨日までの俺だったら肋骨の何本かやられてるだろうな。今でも耐えられてるだけで結構辛い。
でも、この攻撃で冷静になった。最初に俺が不意打ちでコインを発射した時、確か伊織は目を瞑っていなかったか?記憶が曖昧だがワンチャンにかける。
タバコの吸い殻のコイン。コインの色的に属性は煙と火だろう。そして裏を出しても霧と水あたり。目を瞑らせるには十分だ。コイントス!
「俺の勝利だ!コイン野郎!」
伊織が満面の笑みで勝ち誇った顔で叫ぶ。
「チャリン」
コイントスの結果は表。適応される属性は煙属性と火属性。燃えるような熱い煙をお届けしよう。近い位置にいるから俺もくらうけど。
「俺の能力を舐めるなよ?コインの力は偉大だ」
俺がその言葉を発した瞬間コインから熱い煙が出てきた。副流煙は健康に悪いらしいのでそこら辺は少なめだ。
かっこよく決めたぞ。さあ、どうなる!
「ゲホッ、ゲホッ、俺のスキルの弱点に気づくとはやるなッ、ゲホッ」
目を瞑って咳き込んでいる。俺は少し呼吸が乱れる程度で済んだ。
こっからは電池のコインでフィニッシュだ。コイントス!
よし!表だ!雷属性の攻撃か。シンプルに放電だろ。
「【岩魔術】岩槍!」
「放電!」
俺にはさっきより小さくて速い岩の槍が。
伊織にはもっと速い電撃が。襲いかかった。
やばいなこれ。声を発することができないくらい痛い。幸い擦り傷と痣ができる程度で済むだろうけど内臓が少しやられてるかもしれん。
でも伊織は倒れて俺は立っている。つまりは俺の勝利だ。よっしゃああ!
戦闘中と比べ物にならないほどの多幸感が俺を襲う。
「俺の勝ちだ」
で、俺ってなんのために戦ってたんだっけ?
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