さあ幕を上げろ。これより、暗がりを往く者たちの英雄譚が始まる。

なすすべの無い暴力から始まる物語です。

主人公が自他共に認める悪であり、彼の集めた仲間もくせ者ぞろい。
腐った世の中で、腐ったやつらを食い物にしながら今日も気ままに悪を働く。

……かと思いきや、それらは全てただ1人のために張り付けた、ぼろぼろのメッキでした。

彼女のために、あるいは世界の、彼のために、隠して張り付けて誤魔化した真実。
そんな一見すると、救いの無い復讐劇です。

そしてルビの多い心理描写や場面展開が、観劇を観ているかのような贅沢感を味わえます。
どうか報われてあれと、願わずにいられません。

暗がりからでも美しいものは生まれる。
そうでなくては。

さあ、この復讐劇の皮を被った英雄譚を楽しみましょう!

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