探偵事務所に押しかけていた井波田君に、ようやく雑務ではない仕事が与えられた。
それが潜入、そうして彼は転校をして、謎を解くことになるのだ。
聞き込みをするうちに、事件はもうひとつ姿を見せてくる。ではそれと、今回と、何が繋がっているのだろう。
と、こう書くと重苦しく聞こえるかもしれないが、そんなことはない。この作品、実に軽快であり、けれど心情の描写に手抜きがない。
この作品は読んでいると、一緒に謎を解いているような、そんな気分になれるのです。
徐々に見えてくるもの、隠されているもの。明かされていくものには次へ次へとページをめくる手が止まらなくなります。
一緒に謎を解いてみてください。あなたはこの謎、解けますか?
ぜひご一読ください。
「学園ミステリ大賞」応募作です。
探偵社で雑用をしている井波田くんが、とある学校への潜入捜査を所長から言い渡されます。すでに転校の手続きは済んでおり、半強制的な形でです。
初対面でアリバイを聞くなど素人丸出しの井波田くんは、クラスの人気者の北倉さんの窮地に直面します。
それを華麗に対処して、教師陣や生徒たちからアリバイや事情を聞き出していきます。質問するたびにどんどん探偵らしい聞き込みが出来るようになった井波田くん。
そして持ち上がる、ある先生の事情がこれからの推理に与える影響とは。
──とここまでの、展開と文体の軽妙さが、筆者の持ち味です。
この先、どのような展開を見せてくれるのか。
期待を膨らませながら、追いかけたいと存じます。
連載もまだ始まったばかりです。
ぜひ今から軽妙な「学園ミステリ」を堪能してみませんか?
判断基準として過去作品をチェックすると、本作への期待が膨らむかと存じます。