機神創生(五)
東面
北
中
南
南面
東
中
西
西面
南
中
北
北面
西
中
東
この内、北中央の
東西には最も北に
外殿からは、
「
息も絶え絶えに阿弥陀が
「先触れを出しました故、ゆるりと参りましょう。
「すま、な……い、で、すな」
太史監とは陰陽頭の唐名である。
太政官府には三大臣の御座があり、今残っているのは舎人皇子だけである。舎人皇子の御前には右手に
「大変お待たせいたしました」
部屋の外で
「よい。これへ参れ」
二人は
「これで揃った。佐伯少掾、悪いがもう一度話してくれ」
「畏まりました」
「春に陸奥へ赴任いたしまして、
伊豆佐比売神社は神谷沢の近くにあり、多賀神社は多賀城の北にある。志和彦神社はその二つを結んだ同心円の重なるところにあった。伊豆佐比売神社は
「御神体を持ち出したのか?」
「いえ。どちらも御神体ではございません。奉納はされておりましたので、
悪びれずに頭を下げる阿良太に
「
「申し訳御座いませぬ」
「この三社は
阿良太の話は続く。まず最初に
「それが此れにございまする」
蓋を開けると、七色の光が溢れている。光があたって虹色に輝いているのではなく、黒い鋼そのものが虹色の光を放っているのだ。
「な、なんだこれは?」
動揺した声を
「
「ご存知なのですか?」
呟いたのは
「いや、知っている訳ではない。言い伝えにそのような物が奉納されたことがあるという話を聞いたことがある。天から降ってきたもの故「
阿良太は頷いて、それ以上は問わなかった。この場は話を先に進めるのが良いと判断したからである。蓋を置いて、細長い包みを持ち上げ、スルスルと布を剥いでいった。
「こちらは刀と言えるかどうか分かりませんが……」
そういって三宝に置かれた物は右に二つ、左に一つと二つの突起がある三叉の鉾のようであった。こちらは流石に知らなかったのか、人足も阿良太に先を促す。
「これは?」
「
祀られている神の名前が
「我らの一族にも
「
佐伯阿良太は肯いた。阿弥陀は神話に詳しくないため話が分からなかったようだったが、
「では早速外殿に持ち帰り――
「待たれよ、
「これは、
数日後、
機神〜KURIGAMI〜寧楽絡繰奇譚 月桑庵曲斎 @darkpent
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