第四章 泣きたいほどに

やっぱり。

私は、あなたが好き。


紫陽花のうつろいを。

何度か、眺めていたけど。


タックンの仕草。

タックンの声を。


いつも。

ずっと。


胸に抱きしめていました。


だから。

雨の煙る日。


紫陽花のむこうから。


あなたの笑顔が見えた時。

私は駆けだしたのです。


傘もささずに。

濡れた私の肩を。


あなたはギュッとして。


優しく。

囁いてくれたのです。


紫陽花は。

うす紫が。


やっぱり、綺麗だねって。


私は。

答えの代わりに。


タックンを。

ギュッとしたのでした。

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だって、あなた・・・ 進藤 進 @0035toto

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