第三章 ズルい君

まどろみの中。


あなたの腕の温もりにいた私を。

タックン、あなたはギュッとしてくれた。


あのまま。

時が止まってくれれば良かったのに。


だけど。

あなたは雨の中。


私の視界から消えていった。


その時。

紫陽花は。


あの紫陽花の色は。


私は今も。

思い出せないでいるのです。

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