詩歌

福山典雅

かりそめの謀りに……

黒き夢 ため息尽くし 枯れ渡り 望遠寂れ 埒も無し


裂き夢の たかるる景色 霧の沼 歯ぎしりふたつ 瞬き縁か


ぐうの音が 不確か隠し 踊る砂羽 舞て乖離の 児戯に等しく


不破の顔 貫き至るは 不遜の死 しいてあげつる 枝葉の悪事 


あなただけ きょうもしらず ふじのはな ゆめうつつでも たよりしらずに


見果てぬは 衣の音を 尻ぬぐい 焚きておしつけ 迷いの陰り


雪の爪 掻いては痴れる 浅はかさ 無下なる響き ほだしの霞


光陰に 腐らず見せる 川籠り 露けきしらむ 愚者のはしり


散歩道 堂々巡りの あさってに 知らず知らずの 久世のささやき 


とうとうと つめたくします 刹那うた あなただけには つたわりもせず


虎狼の身 伏してまつわる たずさえに 是非も失くした 唯のあだ花


淡々に 激昂求めず 百合の花 しいて尋ねる 嘘ぶく闇路


忘れずの 不知火近く 旅に暮れ 唾棄すべき時 自滅の至り


花の恋 揺らいで届く たんぽぽの 望遠どろんこ 達磨ため息


まわりじは よしだのやまの こいがくれ ひめてみつるは うだつのしらず


華やかな くれないがすり 知らぬ間に 絶えてたまわる 宵隠れせむ


艶やかな 漆黒遊戯の 空蝉は しかめて笑う 肌のぬくもり


語らうは 時遅くして 撒き散らし さざめし時の 蒙昧かすれ


もたついて 伽藍洞にて 蝉時雨 嘘の見境い 越ゆる情


えきもなく とまるをしらず さまよえば うそぶくこいを たばかるさそい


  

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詩歌 福山典雅 @matoifujino

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