第2話
今日も桜の木の下で過ごす。私が出会ってから初めての開花を迎えようとするその木は、今日も私を優しく包み込んでくれる。
「なにしてるの?」
声が聞こえた気がして、いや確かに声が聞こえて周りを見渡すけれど誰もいない。気のせいだったと自分に言い聞かせているといつの間にか眠ってしまっていた。そして不思議な夢を見た。
___
真っ白な世界。いつもな桜の木の下だけど、全てが白い。
(あなたの名前は何?)
どこからか声がする。
「トモミです。あなたのお名前は?あと、どこに居るんですか?私からは見えないんですけど…」
(私が誰かなんて、まだ分からないじゃない)
(どうしてあなたはいつもここに居るの?)
(あなたは誰に会いたいの?)
そんなに一度に質問しないでよ!あれ、声が出ない!まあ、会いたい人なんて居ないし。"友達"に会いたいけど友達なんていたことないし。
___
目を開けると世界がオレンジに染まっている。いや違う、夕日だ。今日ももうすぐ終わるのだ。
桜の木の伝説と春 田川りく @tagawa_riku
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