認知症の父と、外国人の母と、看護師の私と。
おかき
再会は「はじめまして」
「あんた誰ね。」
今から10年以上前、高校生だった私が久しぶりに会えた祖母から言われた一言だ。
私にとっての再会は、彼女にとっては見知らぬ少女とのはじめましてになってしまったのだ。
「私はおばあちゃんの孫の椿だよ。」
震える声で、涙をぐっと堪えながら伝えた。
目の前の祖母は不思議そうな顔をしているだけで、何も答えなかった。
私が記憶している中で、認知症の方と話したのは祖母が初めてだった。
その後、祖母の病状は進行して行き、今では誰のこともわからず、何も話せなくなってしまった。
あの日から時は流れ、私は三十路手前となった。
そんな矢先だった。
次は父が認知症と診断された。
認知症の父と、外国人の母と、看護師の私と。 おかき @chirwpi
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