二人の山歩き

二人の山歩き

寄り道に　誘うカーナビ　杉木立

君が踏む　木の葉が揺れる　水溜まり

降り積もる　細い枝葉の　カーペット

坂道に　息を切らして　山紫陽花

雲が湧く　歩みを止めて　雨浴びる

苔むした　灯篭の中　アマガエル

初めての　道を一緒に　歩く君

雨粒が　飾った蜘蛛の巣のベール

うずくまる　シダの真似する　君の指

足震え　進めぬ私を　背負う君

高々と　オオルリの声　顔上げる

枝の屋根　ふっと途切れて　澄んだ空

青空を　胸いっぱいに　吸い込んだ

水際で　一息ついた　ザトウムシ

飛沫散る　滝を追いかけ　帰り道

ハンカチに　夕日と汗が　染みていく

山降りて　平らな地面に　ひと安心

遠くなる　黒い山影　一番星

氷割り　今日が今年の　初麦茶

どこへでも　一緒に行くと　決めた君