第191話 新婚旅行

 メルヘンの案内で走る。


「もう少しでベヒーモスが上陸します☆」


 巨大な牛の化け物が俺を睨んだ。

 神話の怪物か。


 ベヒーモスが海から上陸すると、俺は切り札を使った。

 シャドーがマイルームから出られるようになった。

 必殺技を使う。


「レッド&ブラック!」


 レッドオーラ4発すべてと金棒、そしてシャドーを一瞬で使い切る超強化攻撃をお見舞いした。

 ベヒーモスが沢山の魔石と肉をドロップさせた。

 世界の法則が変わった事でモンスターのドロップも変わった。


「肉ゲット!」


「あ! レアドロップもありますよ☆」

「だよな」

「レアドロップが当たり前になってますね☆」

「うん、拾って帰ろう」


 ドリーム2に帰るとみんなで肉料理を食べる。

 ヒトミが急に立ち上がった。


「新婚旅行に行きましょう!」

「急に?」


「フトシ君、今はいいタイミングだと思うわ。皆の意識が変わって批判が出なくなりつつあるわ」

「確かに、今は批判じゃなく自分で動く時代か」


「行き先はここにしましょう! ででん!」


 ヒトミのノートパソコンを見た。


「四国、桃太郎のダンジョンか」

「そうです! おすすめですよ!」

「確かに、いつの間にか日本に帰ってきた。会いに行くか」


「決まりですね。明日出かけましょう」


 7人と妖精のメルヘンで四国に向かった。

 途中まで進むと船に乗り換えて本土から四国を目指す。

 橋はモンスターに落とされているのだ。


 ゲートのすぐ前に桃太郎のダンジョンがあった。


「ゲートのすぐ前か、四国のダンジョン、完全に鬼ヶ島だよな」


 ダンジョンに入ると武装した人やエルフ、ケモミミなど様々な種族がいた。


「すいません、桃太郎に会いたいのですが、誰に連絡すれば良いでしょうか?」

「オオタフトシさんですね! すぐに連絡します!」


 桃太郎が串団子を持って現れた。

 美味しそうに食べておる。


「フトシ、よく来たな。飯食っていけ」


 こうして俺達は料亭のような個室に案内された。

 桃太郎の隣には女性が座っている。


「精神世界に行った後、問題無かったか?」

「おう、大丈夫だった」

「何言ってるの、血だらけで倒れてたじゃない」


「……えーと、こちらの女性は?」

「妻だ。血は流れたが大丈夫だった」

「待て! 待て待て待て待て! 結婚したのか!」


「おう! 料理が来たぜ」

「いやいや! 人と結婚して、しかも血だらけで倒れてるって普通じゃないだろ!」

「妻はパティシエをやっている。和菓子でも洋菓子でもなんでも作れる。血だらけで倒れていたのは張り切り過ぎただけだ。それより料理が冷める。早く食べようぜ」


「そ、そうか」


 多分、桃太郎は俺達と感覚が違う。

 料理を見ると、お汁粉? いや、でも、うどんが入っている。


「この料理は?」

「ダンジョン名物、お汁粉うどんだ」

「ええええ、お汁粉とうどん!?」


「何だ、フトシも分からないか。よく考えて見ろ。お汁粉に餅を入れるのは良いけどうどんはダメなのか? 餅とうどんはそこまで変わらない。まんじゅうは麦にあんこを挟んだものだ。うどんとあんこの相性が悪いと決めつけるな。良いから食ってみろって」


「うわあ! 説得力が凄い、確かに言われてみればそうか」

「フトシ、美味しいよ?」

「……うまい」


「だろ?」

「うまいんだけど、四国に来たら普通のうどんが食べたい」


 桃太郎と奥さんが揉めだした。


「ほら、だから言ったじゃない。普通のうどんも用意しててよかったわ。甘いものばかり食べる人は多くないのよ」

「ははは、でもうまいだろ?」


 桃太郎が笑いながら言った。


「うまいけど甘くないうどんを食べたい」


 その後、普通のうどんが出て来て、俺はどっちも間食した。


「うどんうめえ!」


 お代わりもした。

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痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~ ぐうのすけ @GUUU

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