第23話:お宝探しの危険性(体験談)

「おほん、それでは作戦会議を始めます!」

「おぉ〜!」

「……はァ」


 う〜ん、二者二様の反応。反応は悪くないわね!(片方無視)


「まぁ落ち着きなさい元男子高校生」

「理由によっては直訴もいとわなイ」

「そんなに?」

「いまお前らがノリノリでやろうとしてるだがナ、男にとっては自身の心の内を漁られているのと同義。場合によっては殴り合いに発達しもう二度と会わない友達ができる可能性すら加味していル」

「えぇ……それって経験談?」

「ノーコメントダ」


 遠い目をする永遠ちゃん。そういう顔もグッド、じゃなくて。


「まぁまぁ、これには理由があるのよ」

「ほーん? どんナ?」

「よくぞ聞いてくれました」


 私は隣りにいるサメのぬいぐるみを抱いている愛美からメガネを奪い取ると(きゃん! っていう可愛い声が聞こえた)シュバッと音が聞こえそうな速さで装着し、ちょっとえっちな女先生が取ってそうなポーズをした。まぁ、これを魅惑にするためには、高い身長と大きなめろん(隠喩)が必要になってくる。今の私にはそんなもんは無い。


「実はギャルゲーの仕様で、主人公の家に遊びに来たときにミニゲーム『トレジャーハント』をクリアすると、今気になっているヒロインの情報がわかるの」

「マジカ」

「マジマジ。例えば、枝垂桜子だったら目隠れヘッドホン巨乳、五光花札だったらポンコツ系生徒会長みたいな」

「つまり、ここでハキハキ系ボーイッシュ女子だったら結ちゃんが、ミステリアス系幼馴染だったら永遠ちゃんが、気弱系メガネっ娘だったら私が該当するわけです!」

「ほーん……ん? 一ついいカ?」

「「何(んでしょう)?」」


「その話ってギャルゲー時間中学生からだよナ。今はまだそういうたぐいの本は無いんジャ」


「「……そこは盲点だったわでした

「えェ……」


 確かにまだ原作時空にすら入ってない。うっかりうっかり。


「まぁ面白そうだからやるけどね」

「鬼! 悪魔! 百年千年ももとせちとせー!」

「さらっとまだ出てきてないヒロインを巻き込んだ悪口をつかないでくれない?」

「ま、まぁあの人は笑って許してくれそうですし、ある意味鬼より怖い存在ですし……」


 まだ見ぬヒロインの顔を思い浮かべながら、とりあえず今の話をなんとかしようと仕切る。


「とりあえず捜索班は永遠ちゃんと愛美! 私は足止め!」

「あ、私は強制参加なんだナ……」

「当たり前じゃないですか! 頼りにしてます、元男子高校生さん!」

「んじゃ! 健闘を祈る! オーバー!」

「ご武運を! アウト!」


 バァン! と扉を蹴破らんばかりの力で押し、廊下をうるさくない程度の音で走る。


「…………………はァ、まずはベットの間から探そうカ?」






 ◇◇◇◇◇






 さて、何も考えずに飛び出したわけですが―――


「ん? どうした唯?」

「えーっと、祐希くんまだかなーって」

「ん? あ、あぁ、今準備終わっていくところだ」


 まずい、それはまずい。説明と説得に時間を使いすぎた。

 結城くんの部屋では現在進行形で家探しゲフンゲフン、お宝探し(柔らかい表現)を行っている。


 何とかそらさないと!


「あぁーっと! ちょっと怪我しちゃって、絆創膏ってどこ?」

「怪我……? お前今俺を呼びに来たって「ついでに! ついでに絆創膏を取ってもらおうかなって!」……そう?」


 ちょっと苦しいか!? 訝しむような視線を私に向ける祐希くん。とりあえず絆創膏を出しに向かってくれたら助かる。


「仕方ないな……」


 そう行ってすぐ近くの棚から絆創膏を取り出す。あれれぇおかしいぞぉ? 私の計画だと、救急箱を取りに行くのにそこそこ時間がかかる予定だったのに。


 どうやら唯野家では奥さんが調理を担当しているらしいが、いかんせんおっちょこちょいなのですぐ怪我をするらしい。だから台所からすぐ手の届くところにおいてあるそうだ。良いなそれ。私の家でもそういうふうにしてみよう、じゃなくて。


「ほら、怪我したのどこだ? 貼ってやるよ」


 あ、はーいもっとまずいことになりました。


======================================

 閑話:みかんの皮のき方

======================================


 永遠:祐希を楽しませるために、面白い剥き方から可愛い向き方までほとんど網羅している。白い筋は気になるので取る。


 祐希:永遠が剥いてくれるか、永遠のマネをして剥く。だけど少し下手。白い筋は永遠が取ってくれるけどあまり気にならない。剥いたときに爪が黄色くなるのが気になる。


 唯:剥ければなんでも良いじゃない。チラシでゴミ箱を作る作業が無駄に洗練されている。


 愛美:酸っぱいみかんばっかり引く。たまに甘いのを引くが、そういうときに限って唯に取られる。


 円:みかんを剥くのは良いが、他のことに熱中して剥いたのを忘れる。そしてかぴかぴになっては泣く。


======================================


 唯はあまり嘘がうまくないです。嘘をつくたびにどっかしらでズレて大変になるパターンの人。


 ハートとフォロー、星で評価、よろしければギフトもよろしくなのです(乞食)

 後コメントをしていってくれるのが一番嬉しいのです(乞食)


 作者の別の小説もみてくれると嬉しいのです。

【無糖(ブラック)よりもビターなダンジョン攻略配信生活を!】

 https://kakuyomu.jp/works/16817330657687571430


【抗魔都市のミトリアサ 〜"英雄"だった相棒と"黒子"の俺が目指す組織内部での成り上がり 呪いも逆境も、全て受け入れて強くなる〜】

 https://kakuyomu.jp/works/16817330665569088541

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ラブコメに主人公の幼馴染系モブキャラとしてTS転生したので負けヒロインになりたいと思います 涙目とも @821410

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ