【完結】💰転生社畜と転移ＪＫのダンジョンビジネス合同会社💰 ― 貴族に異世界転生したから、今度こそ搾取する側になってやろうと奴隷を買いに来たら、ＳＳＳ級のステータスを持った女子高生がいた件について ―

💰チトセの日記⑬

　消えた！　消えた！！

　奴隷のしるしが消えたああああぁぁぁぁ！！

　今日はうれしくて何度も右手の甲ばかりを見ていた。

　思えば、この異世界にきてからずっと。

　ボクは本当の意味で自由になったことはない。

　でも、ボクの自由を奪っていた奴隷紋はもうないのだ。

　まだ元の世界に帰る方法はまったくわからないけどね！！

　すっかり心が折れていたダリスは、ボクの話もちゃんと聞いてくれた。

　ダリス、前世では社畜だったんだって。

　なんか会社に言われるがままに働いてたんだって。

　例えるなら……アリみたいな感じかな。

　社員を従順な兵隊、単純な労働力として酷使するブラックな会社がある、っていう話は聞いたことがあるけど、ちょっとボクにはわかんない世界だし、そんなところで働いている人の気持ちもわかんない。

　でも、今のダリスがこっちの世界で頑張ろうとしているのは、わかる。

　ボクとダリスは取引をした。

　はじめて会った日、ダリスが同じようなセリフを言ったことを思い出す。

　取引は成立だ。

　ショウと組まなくても、ビジネスを大きくしていく算段はついた。

　ここから先はボクも、全力でホークスブリゲイドと戦う。

　ボクはきっと、もうしばらくこの世界で生きていかなくてはならない。

　もしかしたら一生、元の世界には戻れないのかもしれない。

　すぐに元の世界に帰れるハズ、なんて希望的観測にすがってはいられない。

　そのために、自分の場所は自分で守らなくちゃ。

　転生と転移、別々のルートでこの世界にきた同郷の二人で。

　主人と奴隷ではない、対等な関係で。

　これからボクは、ボクにできることを精一杯やろうと思う。

　　　おまけ『チトセの日記』おわり