💰チトセの日記⑫
うーん。ちょっとヤバいかも。
いつも狩ってるヘビトカゲ型モンスター、あれの鱗を獲れないようにジャマをしてきたのなんて、ちょっとした嫌がらせだったんだなって今なら思える。
行くところ、行くところ、どこにでもホークスブリゲイドの人が出てきて狩りのジャマをされては、さすがに商売あがったりだ。
今じゃ毎日が開店休業で、魔光石すらほとんど集めることができない。
あんな強引なやり方、元の世界なら独占禁止法にひっかかるんじゃないかな。
ここは異世界だから関係ないけど。
そういうわけで。
ここのところ稼ぎはほとんどない。
ダリスの機嫌もすこぶる悪い。
うろこの盾で稼いだお金があるから、今すぐゲームオーバーってことはないはずだけど、このままじゃジリ貧であるのは間違いない。
ヨミお姉さまは、ほっとけほっとけって自分の部屋から出てこない。
ジュハくんは、声を掛けようと近づいては勇気がでないみたいで戻ってくる。
ダリスが近寄るなオーラを出しちゃってるから仕方ないんだけど。
今回、ダリスはボクを頼ってこない。
この前からお互いちょっと気まずいっていうのもあるんだけど、自分の力でどうにかしようと意地を張っているように見える。
いま、ボクがダリスに声を掛けたとしても、きっとダリスは話を聞こうとはしないだろうなあ。いっつもプリプリ怒ってばかりだし。
だからボクはボクで、このピンチをうまくチャンスに変えてやろうと思う。
そう。これは、ダリスとの奴隷契約を解消するまたとないチャンスだ。
ついでにヨミお姉さまとジュハくんの奴隷契約も解除してもらおう。
そのためのアイデアだってある。
だから今はしばらく待つターン。
この状態が続いてダリスがもっと追い詰められたなら、きっとボクの話に耳を貸すときがくる。
それはそう遠くない未来。今はじっと、そのときを待つんだ。
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