ジャンルという垣根をこえた傑作。華麗なるオチに注目───

  • ★★★ Excellent!!!

「真剣にふざける」というのは簡単なようでその塩梅が難しい。私はその塩梅を、まめいえ様の作品から学ばせてもらった。

これは、「筋肉」を題材とした俳句だ。表題の俳句は、見るからに筋肉俳句ではあるものの、季語もありリズムもよく、情景もありありと浮かぶ素晴らしい十七音である。しかしページを開くと、オチがある。華麗にオチている。一句目からオチているのだ。「見事だ」、と感服する。ルビすら面白くて、困惑する。

驚くべきは、勢いが全く落ちぬまま七句公開されたこと。そして、あとがきさえも面白いということだ。
この句集、本当に細かな趣向が凝らされている。章タイトルにも工夫があり、解説には客観的視点からの評価も記載されている。文量もちょうどいい。オチるまでのルートが確立しているので、読者は期待感をもってページを捲る。

なかでも傑作は、ご自身でも「最高傑作作品」と銘打って公開された句だ。私も好きだ。もはや勢いしかない。だから好きだ。