最新話の19話まで読んだレビューになります。
仙人が活躍した時代を背景とするファンタジーですが、根底に流れるのはミステリー仕立ての恋愛小説だと思いまして、「愛」の形的なものがテーマの小説だと私はとりました。
内容としては、虚々実々が絡んだ恋愛模様というか、複雑というか、深みがあるというか、「恋愛」というものに駆け引きでいいのかぁ、そのいうのを絡めたミステリー的な物語になっています。ただ、ここら辺は読んだ人によって感じ方は変わるお思うので、私の感想ということにさせてください。
というか、なんというか、このまま普通に取っていいのかどうか、悩んじゃう部分がちょくちょくある小説なんですよね。だから、ミステリーだとは思うのですが、どうでしょうか? 作者さま。私、ちょっと自信ありませんorz。
普通の人と結婚しても、夫婦そろって白髪になるなんて無理。
――師兄が結婚するなら、わたしとだと思っていたのに。
修行により長命を手に入れた万明玉は、同じく長命を手に入れた柳毅のことが好きだった。
ところが、柳毅は自分を選ばず、普通の人間と結婚するという。
プライドが高い万明玉は、告白することができなかった。
だが、柳毅は行方不明に。
柳毅が行方不明になってから十五年。万明玉は、弟から、突然こんなことをたのまれてしまう。
「姉上。皇族に嫁いでくれないか? 正妻で!」
なんとその皇族花嫁候補は、妖怪によって謎の奇病にかかってしまうらしい。
花嫁候補となる姪を守るため、万明玉は万家の長女として嫁いで欲しいと頼まれる。
お相手は、二十三歳になる孝王。それは、柳毅が行方不明になる前に受けた妖怪退治に関わりのある場所の主。
「つまり孝王妃になれば、孝王府にはいれるのね?」
柳毅の手がかりを得るために、彼女は公認の(!?)偽の花嫁として現・孝王の武俊煕に嫁ぐことに。
果たして、奇病の正体は?
そして柳毅の手がかりは見つかるのか?
修行中の方士である万明玉が思いを寄せるのは、兄弟子である柳毅。
しかし彼には、既に結婚を決めた相手がいました。
ですがいいのです。
万明玉も柳毅も、修行により若さと長寿を得た身。たとえ柳毅が他の誰かと一緒になったとしても、最終的に最も長くそばに寄り添えるのは万明玉なのですから。
そうやって心を落ち着かせようとしたのですが、なんとその矢先に柳毅が失踪。行方不明のまま、15年の月日が流れてしまったのです。
いかに若さと長寿を得たといっても、15年というのは決して短い時間ではありません。
それでも、万明玉の胸に残る、柳毅への思い。いったい今頃どうしているのか。万明玉は、このまま満たされない思いを抱えながら生きていかなければならないのか。
しかし、そんな万明玉に転機が。
なんと弟からの紹介により、皇族に嫁ぐことになりそうなのです。
それはめでたい。なんて思ってはいけません。あまりに突然の話ですし、何やら怪しい背景はあるし、何より万明玉の思いはどうなるの?
一途に一人のことを思い続けたいだけなのに、どうにもならない事態に翻弄される万明玉。
彼女の思い、そして運命や如何に?
術士の女性の恋を描いた、中華風ファンタジー。
修行中の方士(巫術などをつかう修行者)、万明玉は、兄弟子である柳毅に想いを寄せています。
距離が近い兄弟子への恋。甘酸っぱい予感がしますけど、残念ながら柳毅には、実は婚約者がいるのです。
万明玉がいくら柳毅の事が好きでも、結婚は止められない。
しかしそれでも、柳毅にとって大きな存在でありたい。長い時間を、柳毅と共に過ごしたいと、思っていたのです……が!
何と結婚を前に、柳毅が行方不明になってしまったのです!
てっきり実らない恋心を描くお話かと思っていたのですが、予想外の展開。
そして時は流れて15年後。未だ柳毅の行方は分からず。
しかし万明玉は、未だにいなくなった兄弟子の事を、想っているのです。
大好きなのに、会えないしどこにいるかも分からない。だけど想いを捨てられないなんて、切ないです!
万明玉はこのまま柳毅を探し続けるべきなのか。それとも彼の事は、忘れた方が幸せなのか?
このレビューを書いてる時点では、まだ話は序盤ですけど、行き場の無い想いを抱える万明玉の気持ちがとても心に響いています。
彼女がこれからどんな道を選ぶのか、見届けていきたいです。