第20話結成! ドスケベ•ア◯ェンジャーズ
ーー昼休み、硝子目線ーー
まずい事になったよ。
イク子ちゃんは絶対にマサヒコの理想ていうかドンピシャ過ぎて、もうほぼホレちゃってるんじゃないかな?
「正彦くん。 ほらジャンボフランクだよ。 あーん」
そう言ってマサヒコに手作りフランクをを頬張らせるイク子ちゃん。
「うん。 やっぱりイク子が作るジャンボフランクは最高だな」
マサヒコは神経質だから人に食べさせられるのとか嫌がるのに、イク子ちゃんの場合は簡単にうけいれてる。
あ、いっちゃん絶対に怒ってる。
いっちゃんから「あーん」てされたら、あからさまに避けるもんね(注:イバラは食事マナーとかしっかりしてるからそのままでいて欲しいと正彦は願ってます)
レジャーシートを敷いていつもの幼馴染メンバーにイク子ちゃんを交えて昼食中。
そろそろ暑い季節になってきてるのとか関係ないのかな?
イク男くんもタンクトップだったからか、イク子ちゃんもぴったり肌に張り付いたタンクトップと女子制服のスカート(いっちゃんが貸した)
時折り見える褐色のおへそや、スカートからはみ出た健康的な太ももをマサヒコが凝視してる。(注:本人は1mmもバレていないと思ってます)
「作り方ってコツあるのか? お前が作るとうまいよな」
「そうかな? 慣れてるだけだよ。 あ……でも1個だけレシピにはないものをチョイ足ししたかも……」
「へー何をチョイ足したんだ?」
「……秘密」
そう言って少し顔を赤くしながら、はにかむイク子ちゃん。
ま、まずい。
これは絶対『愛情』をチョイ足しレベルじゃなく、リットル単位で付け足してるパターンだよ。
察しの悪いはずのマサヒコもなぜか感じとったのか頬をぽりぽりとかいてる。
前々から思ってたけどマサヒコは絶対ギャルがタイプなんだよね。
女の子になっちゃったイク子ちゃんはタレ目がちな金髪褐色ギャル。 しかも巨乳。
そのせいかずっとデレデレしてる。
戻った時、気まずいとか考えないのかな。
元々仲良しだったせいかイク子ちゃんは明らかにマサヒコにものすごい勢いで攻勢をかけてる。
「イク子! マサにくっつきすぎ! ババアがボケて戻し方忘れちゃったみたいだけど戻った時に気まずくなるのアンタたちなんだからね! 絶対きーっもてなるから!」
ん?
マサヒコが作ってくれたおにぎりを頬ばりながら考える。
今のりんちゃんの言葉になにかヒントを得た気がする。
まったくおんなじ事を私も考えてたけど。
理事長はものすごくテキトーだから酔っ払った時には思い出せた術をシラフになったらすっかり忘れちゃったらしい。
ホンロンさんが昔の文献を探してくれてるみたいだから多分大丈夫ってりんちゃんは言ってる。
それよりも、今のりんちゃんの言葉が引っかかるんだよなぁ。
「何言ってんだよ。 イク男だった頃から似たような距離感だったろ。 なぁイク子?」
「俺……あんな風に組み敷かれたのハジメテだったよ……」
「お前のパンチが強力過ぎて俺は初めて死を覚悟したけどな。 てな感じでケンカしちゃうくらい仲が良すぎるんだ。 リンちゃんもそんな目くじら立てるなよ」
「うぅ……身内がしでかした事だからこれ以上強く言えない……」
うなだれて、諦めたかのようにマサヒコが作った甘い玉子焼きを食べ始めるりんちゃん。
りんちゃんのせいじゃ全然ないのになぁ。
「まぁイク子は普通に可愛いな。 だからといって劣情は催さんだろ」
「か、可愛いって、 ま、正彦くん……」
「マサヒコ今なんて言ったの!? もう一回言って!」
マサヒコの台詞に照れてるイク子ちゃんは一旦スルー。
私は胸に覚えた引っかかりを解きにいく。
「なんだ硝子俺みたいな話し方して、 イク子が可愛いってとこか?」
「ま、正彦くん……」
「何回かわいいって言う気!? その後だよ!」
「いや、今のは別に俺は悪くないだろ……劣情は催さないってやつ?」
それだ!
マサヒコはイク子ちゃんにデレデレだけど、元に戻った時に気まずくなるから劣情は催さないようにしてると思う。
それって私たち幼馴染には劣情を催さないようにしてるのと似てる気がする。
でも見た感じイク子ちゃんは一緒にいると勝手にマサヒコを誘惑しちゃってる。
つまり勝負よイク子ちゃん!(?)
どっちがマサヒコを誘惑できるのか!
「おい。 急に黙ってドヤ顔で笑い始めたけど大丈夫か? おにぎり美味しかったのか?」
「……おいしかったよ。 いつもありがと」
とりあえずいつもお弁当ありがとう。
でも見てなさいマサヒコ。
あなたの一番が誰なのかその身にたっぷり刻んでやるんだから!
ーー放課後、正彦目線ーー
硝子が生徒会室で待ってろというからとりあえず家に帰らず待っている。
今日は生徒会定例行事もないから誰もいない。
正直早く家に帰って掃除できないとモヤモヤする。
決めたルーティンが崩れるのってイヤだけど、愛する幼馴染に言われては俺は常に従順な忠犬ばりに無抵抗だ。
する事もないから今日の復習でもしながら待つ事にした。
ある程度、時間を潰していると調理室のドアが開く音が聞こえる。
「マサヒコー遅くなってごめんねー」
「全然大丈夫だよー」
「わん!」と吠えながら嬉ション漏らすレベルの忠犬ぷりで返事をする俺。
しかし声を発した人物の姿を見て一瞬で劣情を催しかける。
硝子、イバラ、リンカ、イク子全員揃い踏みだ。
しかし素晴らしい、いや、けしからん、いやいや。
硝子チャイナドレス、イバラは社長秘書スタイル、リンカはバニーガール、イク子はネコ耳メイド。
錚々たるメンバーでドスケベ・アヴェンジャーズが結成され、菩薩ですら思わず中腰になるレベルだった。(もちろん正彦も)
「えぇ!? えぇええ!?」
「どうしたのマサヒコ? そんなに顔を真っ赤にして……もしかして幼馴染に欲情しちゃった?」
「ば、ば、バカを言うなよ。 生まれた頃から一緒なお前らに欲情するなんて世界改変が何度起こったってありえないね(え? まだその設定残ってたの? とっくにバレてるかと思ってた……)」(どんな世界線でもおそらく正彦は幼馴染に劣情を催します)
どういう事だ?
最近少し大人しくなったと思ったらこれだ。
相変わらずこいつらのやる事なす事まったく読めない。
なんとか平静を保とうとする俺に硝子がドアの鍵を閉める。
ガチャ
「し、硝子! なぜドアの鍵を閉める!?」
「私たちは普段からマサヒコに甘えっぱなし。 だから今日は日頃の感謝を込めて今日はマサヒコにご奉仕させてもらう事に決めたんだよ」
「(ドッキーーン!) ほ、奉仕って? じゃない! なぜ鍵を閉める!?)
「ズバリ!最もマサヒコを甘えさせた人が優勝選手権だよ!」
「……俺の話聞こえてる? 生徒会室私用で使ってたら怒られるの俺なんだけど」
硝子がドヤ顔で告げる。
絶対鍵閉めた事はスルーしてくるせいで逆に少し冷静になる。
ルールはわからんが、俺も男だ。
「いいぜ。 その勝負、 受けてたつぜ」
「ま、正彦くんは勝負しないで誰が一番甘えさせたか決める側だよ」
イク子が申し訳なさそうに呟く。
やっぱりルールがわからなかった。
ーー先鋒硝子ーー
「お客さーん。 溜まってますねー」
生徒会室に設置されたソファに腰掛けるチャイナ硝子。
膝枕状態で俺は硝子から耳そうじをしてもらっている。
「そうかな? 毎日綿棒使ったりしてるからそんなに溜まってないかと思った」
「……うん。 ホントは全然ない。 もー全然つまんないよ逆方向向いて!」
逆方向?
今はお腹とは逆の方向を見ているから視界には硝子はいない。
だが、このまま逆を向いてしまったら目の前に広がるのは、おへそにぴったりと張り付いたような素材のチャイナドレスだ。
そんなんもう今夜のおかずどころか生涯使い続けられるヘビロテおかずが決定してしまう。
「ダメだ! 逆の耳には耳くそで邪神を封じ込めていたのを忘れていた! 硝子を危険にさらす訳にはいかん! 」
「もーいいから、はい反対向いてー」
抵抗するも(ホントにしたのか?)虚しく俺の頭はコロンとひっくり返される。
目の前に広がるのは丹田、おへそ、いろいろな呼び方はあるがとにかく生命の中心とも言える
(ああ……あああああ)
満ちたりゆく俺に硝子が声をかける。
「邪神どころか、こっちも全然ないよ……もーつまんないなー」
「そうか……そういえば昨日逃してやった……か、 も?」
チラリと硝子の顔を見ようと視線を視線上げて俺は驚愕する。
途中に急勾配の峠があって硝子の顔が見えなかったからだ。
こんな峠を攻めたらケ◯・ブロックだってドリフトに失敗して横転するレベルだ。
(あわわ!あわわ! あわわなんてとんでもない!
「マサヒコは甘やかしがいがないなー」
慌てる俺にばくぬー越しに話しかけてくるが硝子の顔は見えない。
「硝子! どこだ! 俺はお前がいないと俺は寂しくて生きていけない!」
「? ここだよー」
たわわが返事をする。
「硝子……! どこなんだよ……!」
「マサヒコは人に甘えるの苦手だもんねー。 大人しく甘えなさーい」
たわわが返事をする。
「硝子がいないなんて……ここは……闇だ」
「はいはい。 ここにいるよー」
その後も話しかけてくるが、硝子と喋っているのか、たわわと話しているのか判断できなくなった俺はそこで意識を手放したーー
めちゃ可愛い幼馴染達が好きすぎて、もう限界です 千結 @kazuyurichihi
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