エピローグ

第150話 エピローグ①

とても長い時間、夢を見ていたような気がする。そんな夢を名残惜しく思いながらも目を開ける。


そこはどこかの病室のようで部屋の中にはいわゆる病院のベッドの周りにありそうな物いがいは特に何もない。


かけてあった布団をどけるとそこには手首から先がなくなった左腕が見える。ただどうやら拘束はされていないようなので自由に体を動かすことができる。俺はベッドから立ち上がり外を見てみる。そこには修復作業が進んでいる新宿駅とその周辺が見える。


俺が窓の外を眺めていると部屋のドアが開けられて誰かが入ってきた。俺がそちらを振り向くとそこには弓削さんが立っている。


「目を覚ましたのか」


「えぇ、体にも不調は感じません」


「それならよかった。…」


それから弓削さんは俺が自殺未遂をしてからのことを話してくれた。


まず、あの時俺が自分の頭に放った弾丸は奇跡的に脳の中でも特に重要とされる部分には当たらずに貫通していたようで、再生治療によってどうにか直すことができたらしい。


次に全解放戦線のことだが、あの女性は俺が自殺未遂をした後で弓削さんとともに来た自衛隊の部隊に特に抵抗もしないままとらえられそのまま収監されているらしい。ただ、どうやらそれ以上の内容は極秘となっているようで弓削さんも知らないようだった。


そして治安部隊パブリックオーダーだが、新宿駅での作戦の失敗、そして俺の命令無視と自殺未遂によって無期限の解散となってしまったらしい。現在は、九条兄弟、そして菖蒲さんは学業に、瀬霜さんは盛岡の治安部隊パブリックオーダーに異動してそこでの教育を、そして弓削さんは治安部隊パブリックオーダー本部の職員としてそれぞれやるべきことをこなしているらしい。


俺のせいでこうなってしまったことに非常に罪悪感を感じるが、弓削さん曰くもともとこういった話はあったらしくとにかく九条兄弟と、菖蒲さんが学生としての生活が終わるまではこの状態を継続していくらしい。


そして最後に俺の処遇だがまずは治安部隊パブリックオーダーからは除名処分となり、当分の間は事情聴取などのために拘束されるがそれ以上の処罰などはしないということになっているらしい。どうにも弓削さんが俺のことを必死にかばってくれたらしく感謝してもしきれない。


そのあとは俺のやりたいことをすればいいとのことだが、もしまだ警察を続けたいと思うのなら俺のために用意された特別枠に推薦してくれるとのことだ。


「またな」


弓削さんはそのあと少し他愛もない話をしてから部屋から出ていった。窓の外では徐々に元に戻っていく新宿駅が俺たちのことを見つめているようだった。



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あとがき


皆さんこんばんは!クララです!この度第150話にて「真実の弾丸」を完結とさせていただきます!


当初カクヨムコンのために10万文字を少し超える程度で完結させようとしていたのですが、どんどんと書いているうちに15万文字を超えて、なんと自分の描いた作品の中で一番の長編となってしまいました。


構想までも含めば8か月以上も使ったこの物語を完結させることができたのは読んでいただける皆様のおかげです。本当にありがとうございました!


次回作は11月ごろ投稿していた「救国の司令官 祖国を追放される」を1話から書き直して4月半ばごろから投稿をしていこうと思います。軍隊なんかがメインとなる予定ですので良かったら読みに来ていただければと思います。


改めて皆様本当にありがとうございました。 2024年4月4日 クララ


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真実の弾丸 クララ @kurarasimon

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