19: うつくしいにほんのほろびゆくわたしたち

旧統一教会の被害者がABE元首相を銃撃した犯人だなんて皮肉 なんて不思議

「迷信」が生みだした「迷信」を殺す奇妙すぎる奇跡

あんなにテロを怖がった奴がテロで殺されるなんて最悪で最高の歴史に刻まれる 

でもみんなすでに忘れそうになるほど忙しくてあわただしい

立ちどまるひとはいない

「A級戦犯」「昭和の怪物」の孫は被害者を訴える加害者になった被害者

それは喜悲劇の不気味な「神の国」のピエロ


変わらないものを求めたはずがシナリオをはみ出す神の裏切りを知れ

見知らぬ男の危機を巨額の金で救えるなんて都合の良い幻想に騙される疑似恋愛という「迷信」

ヲンナノハダカという幻想がヲンナヲケスという事実

ジェンダーがセックスを攪乱した結果ヲンナヲケスのが露わになる

ヲトコの性的な視線を通してしかヲンナを代表=表象しえない

ヲンナでない者は殺し ヲンナである者は犯す

ひとは見たいものしか見ない 見せつける「現実」より信じる「妄想」

「妄想」を殺す連中が「妄想」に殺される

貧しい少女が強く信じたものが自爆テロにつながる狂気のからくり

世界は核戦争ではなく自爆少女によって滅びる


恋愛も結婚もできない僻みは憎悪に変わる(それは羨望の裏返し)

ふたりでいるのを見ると無性に蹴りたくなるが

一生引きこもりでいられるわけもなく

出会った相手を蜘蛛の糸のように力いっぱい依存して 

きみがあなたがいないと生きられない切実な陳腐(それは無性に蹴りたくなる)

結婚したはいいが子どもができない恨みは誰を訴えればいい?

恋愛こじれの刃傷沙汰を知ると「あいつのほうが不幸」と安堵するのはなぜだろう

「迷信」というメッキで塗りかためた「嘘」がぼろぼろと崩れてゆく

「二度と戦争はしない」と誓ったのは嘘つきの政治家ばかり


「世界が平和でありますように」 手あかのついた祈りのことばは誰にも届かない

変わらないものを求めたはずがひとはみな生きているから変わらないものがないことを子どもでも知っている


わけのわからないままこの世に生まれ落ちた者は

何を信じればいいのか戸惑い(これは「自分がない」ということ)

信じることと愛することを混同して「洗脳」され(それも「自分がない」ということ)

わけのわからない戦争に巻き込まれて死んでゆく


「テロリズムが悪い」という声を聴くな

テロリズムは大国の抑圧に対する小国の反逆

大国の科学者は大量殺戮兵器の発見を急いでいる


自殺する若者が増えているように

死にたい世界 死にたい地球

そのシグナルを感じたひとりの者が抵抗するが

科学の進歩は着実な滅亡を歩むだけ


戦争を肌で知っている老人が

切実に反戦と叫んでいたが

またひとり 

またひとり 消えていく


それは新陳代謝になるだろうか


人は火を横に抱きてその衣を焚(やか)れんや

(箴言 第六章 二十七節)

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家族よりも親しいひと コンタ @Quonta

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