恋ボーン

 安らぎの野辺。歌う詩人は画家と出会う。恋することは、時に妄念に変わるが、倫理を犯してまで、死体を描く画家は、救いというより、自身の痛みを閉じ込める、しかし、そうしなければ、乗り越えられない苦しみがある。言葉ではなく、絵を描くという行為によって、形にする。それは、まるで、虚無を塗りこめる白と青、明るい色が、彼女の心を身勝手に生き返らせるような、そんな恋の繰り返しが、痛く切なく、恐ろしいまでに、迫ってくる、痛みの恋情リボーン。乙女になって、恋願う、救いではなく、共感でもない、ただ塗り込める呪いが、読む方に、重く、痛く、曇天の雨のように、女の美しさを信じられる、ような、神秘の叫び。ムンクのような言葉。痛みからのリバース&リボーン。好きです、恋言う言葉は。