第17話 アイツだけはやめとけ!
「おはよう母さん」
「お、ユウキ起きてきた。おはよう」
朝、ダイニングに行くと朝食が並んでいる日常。
この日常が、どれだけありがたいことか2週目の高校生活でやっと分かった。母親は偉大なんだな。
「あれ、友恵は?」
「まだ、起きてきてないよ。人のこと心配しなくていいから早く朝ごはん食べちゃいなさい」
「はーい」
今日は、食パンのトーストと目玉焼きですかー。
THE、朝食って感じでいいねー。
この、上に厚くマーガリンを塗るのがいいんだよなー。
うまい。
「おはよう、母さん」
「友恵、やっと起きてきた」
妹の友恵がやっと起きてきた。
こいつが、俺より遅く起きるなんて珍しいな…。
「おにい、おはよう」
「おう、今日は珍しく遅いな」
「ふぁー眠い。結構夜遅く寝たから」
「そうか、何してたんだ?」
「そんなのともえの勝手でしょ」
「そうだな。でもあんまり夜更かしするなよ」
「毎日、夜更かししてる人に言われたくないね」
「すまん」
朝食を終えていつも通り妹と2人で玄関を出る。
「いってきまーす」
壊れていない、街の風景。
高校時代の懐かしい通学路。
妹との通学時間。
俺にもこんな時代があったのだと思うと、感慨深くなった。
「なあ、ともえ」
「何、おにい。そんな真剣な顔して」
「お前、神保くんと結構話すのか?」
「まあ、神保さんとはそれなりに」
「なんで、そんな仲良くなってんだ?」
「えーいっつも神保さんおにい帰ってくる前に家に来ておにいの部屋で待ってるからそれで暇そうだから話相手になってたらいつの間にか…」
あいつ、やっぱ妹目当てで俺の家来てたな…。
もうあいつを出禁にしなきゃな…。
俺はそう心に決めた。
「ともえ、もうあいつと関わるのはやめなさい」
「え、なんで?」
「あいつは色々とヤバいやつだからだ!」
「そうかな、結構優しいと思うけどな」
こいつ、もしかして神様のこと好意的に見てるのか…!
て言うか、あいつ全然優しくないだろ!
妹の前では、優しいのか?
どっちにしてもあんな、変態にこれ以上妹を近づけるわけにはいかん!
「ともえ、これだけは言っとくあいつだけはやめとけ。離れろ」
「え、でも」
「いいから、次来たら追い出しとけ!」
「おにい、なんでそんなに必死なの?」
「なんもない!じゃあ俺、電車だから学校頑張れよ」
そう言って妹とは別れ電車に乗り学校へと向かった。
ったく神様にももう妹に近づくなと言わなきゃな。
いつも通り、学校に到着すると上履きに履き替え、教室に入った。
もう、この生活も当たり前になってきたな。
「よお、ユウキおはよう」
「おお、沢田かおはよう」
教室に入ると沢田に話しかけられた。
「どうしたんだよ、また険しい顔して」
「いやー、色々あってな」
「お前、最近悩み事多いな」
「そうなんだよな、沢田もしお前の妹が変な男に好意を寄せてたらどうする」
なんとなく、沢田に聞いてみる。
「なんだよ急に。俺妹いないんだけど」
「いたらと仮定しての話だ」
「んーその男の情報をもっとよく聞いて、マジでヤバいやつだったら説得する」
「なるほど」
「まあ、妹の恋愛に口出すのはどうかなとちょっと考えるけどな。どうしたんだよ、もしかしてともえちゃんの事か?」
「そう、妹のこと。まあ、俺の考えすぎだけどな」
「さすがシスコン立川勇気。妹のことになると熱いねー」
「うるせー。じゃあ俺授業の準備するからロッカー行くわ」
「おう」
今日の1限は、数学か…。
苦手な教科なだけに、気分が落ちる。
さっさと準備するか。
えーっと教科書とノートと…。
「立川くんおはよう」
準備をしていると、俺を呼ぶ声がした。
振り返ると、佐々木さんがいた。
佐々木が俺になんの用だ?
「おはよう佐々木さんどうしたの?」
「いや、1限の数学大変だねーって言おうと思っただけー」
「確かに、大変だね」
「立川くん最近数学の先生に目つけられてるもんね」
「まあ俺がバカだからしょうがないよ」
そう言って、ロッカーから教室に戻ろうとした。
「待って、本当はもっと大事な話があるの」
「え、何?」
教室に戻ろうとした瞬間、佐々木さんに引き止められた。
地球を救えるのはどうやら俺だけらしい【地球を救うための2度目の高校生活】 一ノ瀬シュウマイ @syuumai5533
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