前説ノ弎:昭和十七年のベースボール または私はいかにして反省するのを止めてアカ共を憎むようになったか

<!----イカ、サクシャノボヤキ>

え?お前も一丁前に自虐史観になびいたことがあるのかって?ハハハ、バカなこと言わないで下さいよ。私が戦後の傀儡政権ならまだしも、戦前の正統政府を憎んだことがあるとお思いで?

第一、面倒でしょう、教員共のオナニーに付き合ったり屎蟲の交尾なんぞ眺めたりするのなんて。

<!----イジョウ、サクシャノボヤキ>

 中華民国という国家がある。汪兆銘氏を初代内閣総理大臣とした、計算方法によってはアジア一の広さを誇るともされる、清朝から禅譲を受けた正統政府だ。正統政府、と書いたのは、かつて中華民国を名乗ったテロリストと区別するためであるのだが、それらは共産党と同様に国民党と記述した方が正確であろう。

 尤も、本朝および国際登録上は中華民国と呼ばずに震旦共和国と呼ぶことの方が多いのだが、国家名は国際登録以外の場では好きなように自称できるわけで、現に初代内閣総理大臣であるボース氏(ちなみに、読者世界で初代首相を務めたネルー氏は叙述世界では初代内閣の外相に任じられている)があまりにも有名な天竺共和国も自称はバーラト・ガナラージヤと名乗っているが、国際登録上は概ね「天竺共和国」で通っている。ちなみに首都の名前はラタナコーシン王国同様にやたら長いが、とりあえず旧デリー市(今は違う名前である)でもなければムンバイでもない、ということは記述しておく。当たり前だが、いくら島で全体の都市化が容易だからとはいえ、旧コロンボことコッテでもない。

 この中華民国は、国際登録上は一応、2601年13月4日が発足日とされているが、勘の良い方は把握できるだろう、これ実は、1942年1月19日、つまりは毛沢東の逮捕日であるのだ。とはいえ、皇紀元年の旧暦元日を起源とする現世界暦はあくまで演算上、国際会議の記録で使われるだけであり、一応は諸国は独自のこよみを使っていることが多い。国際通貨である麟に関しても同様であり、あくまで独自の通貨基準が乏しい国家が国内通貨でも使っているだけで、概ね独自の通貨基準がきちんと管理できている国家では、当たり前だが圓や他ライヒスマルク等を使っている。ちなみに、変動制ではあるが概ね1麟は1厘(銀本位制計算)~5厘(収入計算)~2銭5厘(物価計算)である。発音だけだと若干ややこしいが、「WR(ウェルト・リン)」か「JL(ヤパン・リンあるいはジパング・リン)」でヨーロッパ圏他非漢字文化表意文字圏は区別していることが多い。

 まあ尤も、戦後は日本語が世界共通語になった関係上、漢字文化圏乃至は漢字仮名交じり文化圏はずいぶん多くなったのだが。(旧本朝統治圏はもちろんのこと、ヨーロッパ圏でもずいぶんと多くなったらしい。一説にはアラビア語を至上言語とするイスラム圏でも使える場もあるのだとか)ちなみに、昭和元年当時の米穀価格は生産者買い取りで60kg15圓だったらしく、当時はまだ存在しないものの、暫定的に麟で換算すると概ね600麟となり、良くも悪くも本朝米穀価格が基準となっている証拠だとされている。(1kg=10麟となるため)なお、麟は事実上の銀本位制である。だから麟発行所が「銀行」だ、と言われることもある。(事実上と書いたのは、名目上は金本位制なのだが、金麟(27世紀の記録では最後に出回った際には1万麟と記録されている)はめったに出回ることが無く、たいていの場合は銀麟(100麟)乃至は紙麟(1麟紙幣)で決算することが多いためである)

……未来の話を語るのは今回だけにしておいて、次回こそは毛沢東の逮捕シーンをお届けしたいと思う。……できるかどうかは、扨措いて(措くな!)

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