桜は今日も、彼岸の客に『忘れ事』を届けます!

 忘れ事はしないけど、忘れ物はしまくる高校一年生の桜。

 とある理由で第一志望に落ちてしまった桜は、同中の椿だけを頼りに第一学園へ入学する。

 入学初日から忘れ物をしてしまった桜は、母に言われて家までガンダッシュすることに。

 そんな桜の行く手を遮る透明な玉。桜は何かに引き寄せられるように玉を追って路地裏へ。

 そこで出会ったのは、メガネを掛けた、腰が抜けるくらいのイケメンお兄さん。

「あなたは何をお忘れですか?」

 桜が忘れ物を告げると、青年は店の奥から鞄を取り出した。

 ――何故この店に鞄が……?

 疑問に思いながら鞄を受取り、なんとか無事に入学式を終えた桜は、お代を払う為、先程の店を探すことに。

 すると不自然な場所にステンドグラスが嵌った扉が現れた。

 驚きつつも桜はドアノブを回す。

 ――カラン、と鈴の音が鳴った。

「いらっしゃいませ。……あなたの忘れ物はなんですか?」


 忘れ物名人の桜と、不思議な店のイケメン店長が送る、温かくて、時に笑える、ちょっぴり切ない、黄泉比良坂現代ファンタジー!


 ――忘れ物をしたそこのあなた。

 あなたの目の前に丸いドアノブが見えませんか……?

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