前世の2人

バッドエンド

閲覧注意!





またあの男だ。

私が近所の人と話をしているとき、友達と遊びに行くとき、1人でいるときあの男はいつも私を見つめてくる。

しかも少し男の人と話しただけで

「おいっ!あれは誰なんだ?なんで話すんだ?」

と言われるため、私は男の人と話すことができなくなってしまった。

そして今度は、ずっと付き纏ってくる。

このままどんどんこの男が私に執着していったらどうすればいいの?

なんでこんなことになったんだろう?



あれは10年年前の春の日だった。

母親が仕事のため、8歳の私は1人で川辺の土手の草の上に寝っ転がっていた。

花や蝶を眺めながらのんびりしていると

私より年上に見える男の子が泣いていた。

私は不思議に思って、「どうしたの?」

と声を掛けた。するとその男の子は

「なんでもない」

「なんでもなくないよ!

だって泣いているのに!」

すると男の子は

「僕はいらない子なんだ。罪の子。

だからみんなに嫌われる。」

そう言った。それを聞いた私は

「なんでそんなこというの?罪の子だなんてそんなこと言わないで!お兄ちゃん!

私はお兄ちゃんのこと嫌いじゃないもん!」

男の子は私の方を見て聞いた。

「本当に?僕のこと嫌いじゃないの?」

「うん!」

「じゃあ好き?」

「まだ会ったばかりだから好きか分からないけど、お兄ちゃんと友達になりたい!」

男の子は笑顔で言った。

「本当に?嬉しい!今日から僕達友達だ」

「僕はシアン!君は?」

「ミリー!」

でもその日以来あの子には会えていない。

今はどうしているのかな?



そうして今私は変な男に付きまとわれている。

ある日男は突然訪れて言った。

「ミリー!迎えに来たよ!」

知らない男に名前を知られていてなんだか気味が悪くて私は

「誰?なんで私の名前知ってるの?」

すると男はショックを受けたような顔をして私を見ると

「なんでミリー」

とつぶやいた。そして早足で去っていった。それで終わりかと思ったがその日以来私はあの男に付きまとわれている。


「ミリー!大丈夫?最近変な男がいるって聞いたんだけど」

友達のノノが私を心配していた。

でも私は心配させたくなくて

「大丈夫だよ!なんでもないから」

と言った。ああ、なんであの時助けを求めなかったんだろう。




その日の帰り道、私はあの男に頭を殴られて誘拐されたーーーーーー。





「ミリー、僕のミリー」

「愛してる」



ふと気がつくと全裸で眠っていた。

そしてベッドには赤い染みとそしてお腹のズキズキとした痛みがあった。

「まさか」

急いで確かめようとしたその時

ギィー

扉が空く音がした。

扉の方を見るとあの男が立っていた。


「ミリー、大丈夫?ずっと寝てて心配したんだよ?体も心配だし」


その言葉を聞いて嫌な可能性が頭によぎった。私には確かめなくてはならないことがある。


「ねえ、私なんで血が出てるの?」


お願い、違っていて、どうかお願い、

お願いだからーーーーー。

そんな願いもむなしく男はサラリと言った

「だってミリー初めてだったから」


その瞬間怒りで我を忘れそうになった。

「なんで、なんでなのーーーー!!!!」


「私あなたに何かした?」



「ミリーなんで怒ってるの?」



「落ち着いて!ねっ?」

私の腕を掴みそう言って微笑む男が怖くて何も言えなくなった。



「これから一緒に暮らすんだから」




「ーーーえっーーーーー」



それからの日々は思い出したくもない。

好きでもない男、むしろ気持ち悪いと思っている男に何度も何度も何度も汚されて

逃げ出そうとしたがその度に捕まりひどいお仕置を受けた。

怖くて怖くて嫌で嫌でなんでこの男に執着されているのかも分からずにひたすらこの男のいいようにされた。


そうして月日が経ったあと

私は段々食欲がなくなり、表情を失っていった。



「助けて」






「ねえ、ミリーなんで僕を愛してくれないの?僕達友達になるって言ったのに」


実は男の種族では友達=人間でいうところの恋人という意味だった。

男はミリーが恋人になってくれるという意味で捉えひたすら不義の子として虐げられた子供時代をそれを支えに耐えミリーに会いに行ったのだ。しかしミリーが気が付かなかったため暴走してしまったのだった。




しかし、ミリーはそんなこと知らない。

種族間で常識が違うことさえ気が付かないままミリーを追い詰めてしまった男は

何とかミリーを生きさせようとしたがついにはダメだった。



そうしてミリーの食欲が無くなって3ヶ月がすぎた頃ミリーは病没した。


享年  22才の早すぎる死だった。



そしてミリーが死んだあとに前世の記憶、犬のヨンの記憶を思い出した男は絶望し命を絶ったのだった。次こそは手に入れると誓ってーーー。





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メリバです。

誰も救われない感じです。


読んでいただきありがとうございました。

少しでも気に入ってくださった方は評価をお願い致します。

モチベにつながります。

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ヤンデレ義父に執着されている娘の話 アオ @aoiyun

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