愛しさと切なさと

裏切らぬマーガレットに君想う

星空を君と見たくてオリオン座金平糖を口に頬張り

あの日から動き始めた砂時計心の隅にいつか芽吹いて

ふいに鳴る着信の名にときめいて午前0時の「おめでとう」の声

突然に「これ好きだろ」と手渡したぶっきらぼうなあなたがいいの

裏切らぬマーガレットに君想う「好き」で始める恋占いは

淋し気な君の横顔見つめてるスイートピーは春に咲きおり

はじけてるコーラのようにシュワシュワと君の笑顔と七月の空

休日の遅い朝にはお揃いのカップ温め聴くボブ・ディラン

オムライス「マジ美味いよ」と頬張って笑う口元ケチャップつけて

満月に手をかざしてはそのパワー私に届けあなたに届け

淋しいと心が風邪をひくんですあなただけなの特効薬は

ワイシャツの袖をまくったその腕に抱かれし夢を今日もみている

「好きです」とその一言が言えなくて過ぎゆく夏と空き缶一つ

コーヒーにシュガーを入れて混ぜるよにかき混ぜないで私の心

優しさが嬉しかったのあの頃は、今優しさに不安が募る

やまぬ雨頭を垂れて紫陽花はいつもと違うあなたの香り

「似合うね」と君に言われた髪型をバッサリ切ってクリスマス・イブ

「バカだな」と君が頭を撫でるからその気になるのあなたのせいよ

ほっといてお願いだからほっといてくちづけの味思い出すから

電話するなんて気軽に言わないで曇りガラスにうそつきと書く