6-2アイツと僕 

ミハナ

7話目 アイツと僕 2

抱き締められ、それでも僕は抱擁を返せずにいた。すると、アイツが耳元で話す声が聞こえる。

不安なんだろう? と。

思わず頷いていた。

僕ら、付き合わない方が良かったんじゃないか、と抱えていた心情を吐露すると、強く抱き締められた。

お前と両思いになれて最高に嬉しい、まだ現実味がないんだ、だからそんなこと言わないでほしい。

囁く声が微かに震えていた。

ああ、アイツも普段通りに振る舞おうとしていて虚勢を張っていただけだったのか。

僕はようやく気持ちがわかり、そっと触れるだけの抱擁を返した。

なんだ、互いに好意を表すのが下手なだけだったじゃないか。

しかも、僕はあれほど近くで一緒に育ったのに、意外に君が緊張しいだということも忘れて自分の事しか頭になかった。

本当にごめん、これからは不安になる前に話し合おうよ、そう言えばアイツは頷いてくれた。

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6-2アイツと僕  ミハナ @mizuhana4270

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