第28話 おまけー1?

 僕らは巨大なホタテ貝を目の前にして迷っていた。

 とても美味しそうではあるのだが。


 見つけた巨大ホタテ貝は全長200m以上はある巨体だった。超デカい。そしてベージュ色の貝殻が神々しい。


「こ、この大きさと色は……」

「すごく綺麗で強そうですよ。それに美味しそうです」


「これと戦ってまたパワー切れになったら、さすがに人類から愛想を尽かされるよね」

「そうですよね。あまり甘えてはいけませんよね」


「やはりここは自重すべきかな」

「えっ、ああ、そうですよね、仕方ないです……」


 僕らが物欲しげにジーッと巨大ホタテを見ていたら、逆に巨大ホタテが襲いかかってきた。


「あっ、襲ってきた!」

「あれ? 思った以上にこのホタテ、力が凄いですよ」


 ズガッ! ズガガガガッ!!!


 僕らは圧倒的にパワフルな巨大ホタテ貝と揉み合いながら海溝へと沈む。そして人知れず南極圏の深海で死闘を繰り広げた。



 ◇◇◇



 その頃、モフモフ島では。


パウンド相棒、巨大ホタテ貝を食べに行ったが、いつ帰ってくるかな? ファイン少尉はどう思う?」

「すぐに帰ってきそうな気はしますけど、どうでしょうね。私もパウンドさんの行動は予想できないことが多いですし」


「やはりファイン少尉でも予測は難しいか。まあ復活したパウンド相棒なら心配することはないが」

「そうですね。南極圏なら悪夢と言われる超巨大ホタテ貝にさえ、出会わなければ大丈夫でしょう」


「ああ、南極調査団が発見した200mを超える化け物ホタテ貝か。アイツは厄介だな」

「報告書によると近づいた無人調査艇を沈めて、海上にいた艦艇まで襲ってきたんですよね」


「ああ、体内で生成した真珠を弾丸にして飛ばしてきたらしいな。ホタテ貝なのに随分と凶暴なヤツだが、この広い海でそうそう出くわすことはないだろう」

「はい。普通はそうなんですけど、パウンドさん、かなり運が悪い方なのでちょっと心配ですよ」


「ははっ、ファイン少尉は心配性だな。またパウンドにお母さんと言われるぞ」

「ふふ、そうですね。心配しすぎですよね。お母さんじゃないですし」


 そう言ってノックス中尉とファイン少尉は、パウンドのいないモフモフ島から、どこまでも続く平和な広い海を眺めていた。








〜あとがき〜

最後までお読みいただきありがとうございます。

もし少しでも良かったと思うところがありましたら、執筆の励みにもなりますので、下にある星評価を気軽にしてもらえると嬉しいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生したら体長100m超の巨大生物で人類の敵でした 〜世界最強だったはずなのに何故か最下層になりました編〜 同歩成 @Anantoca

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ