第2話 王子様に求婚されました!?
「カランガラン」
私はシャーレーン。カラカロン帝国の#単元__・__#皇女だ。
夫の浮気が発覚しそこからは早かった。
私は理不尽に宮殿を追い出され、今ではゴミ箱の中の残飯を漁って生活している始末。
シャーレーン「はぁ」
思わずため息をついてしまう。(今日も新鮮な食べ物は食べれなさそうね)
そう思っていると…
シャーレーン「キャッ!!何!?」
急に口元を塞がれ、鈍器で頭を殴打された。
そのまま気を失っていく…失っていく…
~ボストル王国・東宮殿~
シャーレーン「んっ…あぁ…どこ?ここ」
??「手荒な真似をしてしまいすまなかったな」
シャーレーン「あなたは誰!?」
ランカル「私はボストル王国の王子、ランカルだ」
シャーレーン「なんですって!?ボストル王国って、敵国じゃない!!今すぐフルマン様に報告しないと!!」
ランカル「あなたは、そのフルマンという男に宮殿を追い出されたはずでは?」
シャーレーン「……そうでした。でも!!あなた達は私たちの国の敵です!!」
ランカル「敵か…それは戦争を繰り返しているからでしょう。特に何かされた訳ではない」
シャーレーン「……」
ランカル「少なくとも我々は貴方の国に対して何かした覚えはない。それに…」
シャーレーン「…それに?」
ランカル「今回は貴方に危害を加えるつもりで、私の宮殿に来てもらった訳ではない。」
シャーレーン「もう既に危害を加えられた気もしますが…まぁいいです。それで、呼び出した訳とは?」
ランカル「私の婚約者になってほしい」
シャーレーン「はい?」
ランカル「だから…私と…その婚約をしてくれないか…もう何度も言わせるんじゃない!!」
シャーレーン「いきなり婚約を申し込まれても…そのなんというか…私にメリットはないと感じるんですが…」
ランカル「ん?メリットならあるぞ。これから残飯を食わなくて済むようになる」
シャーレーン「!?なぜそのことをしって!?」
ランカル「まぁ…いわゆるスパイというやつだ。それに、メリットならもう一つ。」
シャーレーン「…なんでしょうか」
ランカル「先ほど我々は、貴方の国。つまりカラカロン帝国に対し、何かした訳ではないと言ったな」
シャーレーン「はい」
ランカル「しかし、対外的に見るとこの二国は敵対していると言わざるを得ないだろう。…そこで、だ……復讐、したくないか?」
シャーレーン「復讐!?」
ランカル「あぁ。あの王子と…親友にだ」
シャーレーン「復讐…ですか」
ランカル「やはり心が痛むか?」
シャーレーン「すごくしたいです!!」
ランカル「は?」
シャーレーン「あの二人、ついでに国王と上皇にも、私の人生を破壊したあの四人には、復讐したくてたまらない!!」
ランカル「…そうか…」
シャーレーン「婚約…でしたよね?…受け入れます。これからよろしくお願いします」
ランカル「……分かった。いまから私達は婚約者、というわけだ。この東宮殿は自由に使ってもらって構わない。また、近々中央宮殿へ行き国王へご挨拶へ参るから忘れないように」
シャーレーン「分かりました。ランカル様」
ランカル「今日は宮殿内の散策や、自室でゆっくり休むといい。あと「様」は必要ない。好きなように呼んでくれ」
シャーレーン「分かったわ。#ランカル__・__#」
(呼び捨て…か…ふふっ………いかんいかん!!それより、こんなに簡単に婚約の申し込みが通るとはな…まぁこっちの方が計画には都合がいい)
~シャーレーンの自室~
「いきなり決まったなぁ」
まさかいきなり敵国の王子に婚約を申し込まれ、しかもそれにOKを出した自分に驚いている。この部屋へ来る途中に、一人のメイドさんに会った。その時聞いた話によるとこの東宮殿は、比較的新しく、ランカル王子のために建築されたらしい
「たしかに綺麗だ」
壁。床。ガラス。シャンデリア。本棚。どれをとっても一級品と言っていいレベルで、綺麗に掃除がされてある。だからか、妙に落ち着かない。というか、部屋のせい…というよりも…
「呼び捨てで呼んじゃった…」
ランカル様に、様付けはしなくていいと言われたため、「ランカル」と呼び捨てにしてしまった。
「ランカル様。ちょっと怒ってたよね…」
ランカルと呼んだとき少し表情が変化したのがわかった。明日から顔を合わせるのが気まずい…そんなことを思いながらもリラックスしているシャーレーンなのであった…
しかしそんなシャーレーンを熱心に見つめる、一人の少年がいることも、彼女はまだ知らない…
~続く~
親友に婚約相手を取られたけど敵国の王子から求婚されたので国ごと見返してやることにしました ばらちゃん @baratyan
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