怪異その他(シール、食べ物、呪文)

・謎のシール

 10㎝四方の正方形の白地のステッカーに、黒い鳥居と人の絵、四隅に文字。

 文字は「女」と「了」の二種類がある。

 以下考察。

 シールの本来の姿はおそらく「女」の方。「山へ誘うモノ」への信仰をしていた教団の信仰の一環や布教活動のために作られており、それを各地に貼ることで山の神の力を強めようとしていた。(鳥取に出張しているのもその辺が噛んでいるのだろうか? でも、シールは全国区だったようだし、だとしたら全国に「山へ誘うモノ」が出没していないとおかしいか……)

「了」の方は、「あきら」への贄を求める「赤い女」が我流で始めたものだろう。あきらの存在、認識そのものを広めようとしていたと言及がある。また、「女」の方は手書きで量産され物理的に貼られていたアナログ形式のものだったのに対し、「了」の方は画像がSNSやネット掲示板に投稿されるなどデジタル的な印象。「赤い女」はデジタルに強い感じがするので、これも「赤い女」の我流かなあ。


・食べ物の味がしなくなる

「待っている」や「ホワイトマン」、「潜入捜査ルポ」で書かれていた、これも怪異と言っていいんじゃないかと思う。こちらについては、多くの人が言及しているが、「神への供物は、神が食べると味がしなくなる」といった伝承があるらしい。山でごはんを作るとこうなるっぽい。「山へ誘うモノ」が口を開けて食べていたのはもしかしてこっちかも? わからんけど……。



・呪文

 これは怪異なのか? って感じがするが、特徴的な事象だったのでここにまとめる。

 五十音をランダムにちりばめたような羅列は、小沢くんの語るEさんの話と、「潜入捜査ルポ」で出てくる。まるで意味の分からない文面は、クトゥルフに出てくる呪文のようでもあり、全てを理解したら呪われそうな不気味さがある。その辺は心霊スポット「乙女の祈り」の遺書めいたところもある。

 時系列としては、「潜入捜査ルポ」の方が先。よく見てみると、「潜入捜査ルポ」の方では、最後の二つに「ましら」という字が隠れていることから、「山へ誘うモノ」を祀る呪文なのではないかと推測される。

 おそらくEさんが勧誘されたサークルは教団が分化して生き残ったものであり、口伝で呪文が継承されていくにしたがって、呪文が変化した。その過程で「ましら」の文言は消えてしまったのではないか、と考えられる。


 また、一時期小学校で流行っていたという交霊術「まっしろさん」は、この教団の仕草を子どもたちが真似て作ったのかな? という感じがする。

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