(ちょこっと短い話)もしも、学校のクラス担任が、カイバラ〇ウザンだったら…。

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「何だ、この給食は!女将を、呼んでこい!」あの人が、学校のクラス担任だったなら…!言いそう。マジで、言いそう。

 クラス担任が、カイバラ○ウザンだったなら。

 しかも、新卒男子。

 年齢的にはどうかと思うけれど、そういうクラス担任がいるかも知れない。学校の先生不足だもんな。こういう日本になっても、おかしいとは思えない。

 「ふん…。何だ、この給食は!女将を、呼んでこい!」

 わがまま。

 「何だ、この、だしの取り方は!」

 ああ…。

 小学校のクラス担任の先生が、「至高のメニュー」を作る人でおなじみ、カイバラ○ウザン。

 いやだな。

 ものすごく、いやだな。

 小学生男子、マツカワヨウスケ君も、悩んでいた。

 彼の父親は、新聞社に勤めていて、「社員食堂運営委員」という、変わった役をやっていた。「社食」であろうと、「夜食」であろうと、「食」とは、縁のあった父親だ。

 その性格が、子どもにうつったんだろう。

 息子ヨウスケも、「食」には、ちょっとした愛を感じるようになっていた。

 彼は、「給食」について、小学生なりに、いろいろと考えていくことになる…。

 でも、ねえ。

 クラスの担任が、カイバラ○ウザン?

 小学生のへこみ度、はんぱないよな。

 「食」が楽しみに思えていた彼も、給食の時間は、あまり、好きではなかった。

 「大きくなったら、ああは、なりたくないよな」

 子どもにも言われる、クラス担任。

 給食の時間は、あまりというよりも、完全に、好きではなくなってきていた。

 クラス担任、カイバラ○ウザンが、ほえる。

 「何だ、これは!先生への盛りが、少ないんじゃないのか?今日の担当は、どうなっておるんだ!」

 子どもが相手だと、強く出る。

 「ちぇっ。腹、立つよなあ…」

 「何だよ、あの担任は」

 「あいつ、何?」

 「だから、カイバラ○ウザンなんでしょ?」

 もちろん、クラスメイトたちは、忘れていなかった。

 でも、とりあえず、あやまる。

 「先生?きのうは、ごめんなさい。盛りが、少なかったんでしょ?」

 「今日は、たっぷり、食べてね?」

 「皆!先生に、たっぷり、盛ってやろうぜ!」

 「先生、たっぷり、食べて!」

 「僕も、まぜて!」

 「俺も!」

 「私も!」

 クラスの子たちが、クラス担任の器に、次々と、盛っていった。

 こっそりと…。

 毒を。

 「ぐぶぶ…」

 「おい、皆!見ろよ!」

 「ぐはあ…」

 「カイバラ○ウザンが、口から抱ふいて、苦しんでいるぜ?」

 「うう…!」

 「ははは」

 「あはははは」

 「くたばれ、新卒!」

 「それな!」

 「せ、先生を、助けてくれ!…女将だ!女将を、呼べ!」

 「だめ」

 「…な、何がダメなんだ!子どもは、大人の言うことを聞きなさい!」

 「だめです」

 「な、なぜだ!」

 「だって、先生?」

 「な、何だ!」

 「…」

 「早く、女将を呼べ!」

 「小学校に、おかみはいません」






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