水面の底と夜空の底と。そこにある仄暗さと淡い光の対比が美しくて

二十首連作だからこそ表せる世界観。

わずか三十一文字に込められた場面は
切り取られた一つの絵物語のようで
重ねられていくたびに
仄暗かった世界が
蒼くて透明な鏡面を越えて
真っ黒だけど真っ白な世界へと変わっていく
それはやがて無数のきらびやかな輝きになって

一首一首を読むたびに
色が変化して
光が変化して
心が揺れて

最後にはどこか安らいだ気持ちになれる
そんな素敵な作品です