あとがき

敬愛なるミュージシャンそして読者各位

Blue Giantになれなくてと言うタイトルにするか悩みました。皆さん方はBlue Giantになろうとはなから思っていないかもしれませんし、それをなれなくてと言うのも失礼なように思えて。それにジャズプレーヤーとしてBlue Giant 、頂点と言う意味らしいのですが、になる事が目標なのでしょうか?コルトレーンが俺が頂点って思ってたわけではないでしょう。もちろん彼らも「お前より俺が上手い」くらいは考えたかも知れないですが ここに登場する方は、そんな事と無関係に今日もどこかのライブハウスに出演してジャズをただ一所懸命演奏している方々なのですから。青山ではないかも知れませんがリスナーの心を惹きつけ、我々はいつも感動を貰っているのです。

ブルージャイアントが映画化されて、ちょっとしたジャズのブームになったのですが、上映後、ライブハウスに映画を観て来たと言う人を何人も見ています。現実のジャズの世界をどう捉えたかは良くわかりませんが、演奏を聴いてその魅力に取り憑かれリスナーになったりジャズを目指す様になるかも知れません。等身大のジャズミュージシャンと言ったものを知るのも良いかと思い描いてみました。もちろん良くある「ここにあるのはフィクションです」と言う内容です。ただ、「ブルージャイアント」ではなくともジャズに向き合っている姿であり小説にするために盛っている訳では無い事はご理解頂きたいと思います。

ミュージシャンの歩いて来た道はそれぞれで今ステージに立ち続けるミュージシャンは大なり小なりストーリーを持っています。また、人前で演奏することを職業として選んだ以上多少なりとも自分へのある種の自惚れがないと出来る事ではありません。そうでなければこんな困難で、しかし楽しい道を選ぶはずはありません。私はいつもその自惚れを受け入れてあげようと思いながら演奏を聴いています。いつか、その自惚れが多くの人達からの称賛になることを祈って。

最後に私のとても大好きなピアニストが言っていた言葉でファーストセッションを終える事にします。

「ジャズは相手を思う笑顔と自由がある世界です」

是非一度 何処かのライブハウスに行って、ちょっとだけ勇気を出して入り口の重いドアを開けてみて下さい。


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Blue Giantになれなくて ファーストセット 中岡マサユキ @FKKU

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