直喩。擬人法すら通過したシュールな世界観です

 ありそうでなかった斬新な発想。
 シンプルなのに切れ味は鋭く、予想できるはずなのにインパクトがある(予想可能・回避不可能)ページをめくる度に新鮮な驚きがあります。どことなくボーボボみが。
 一見するとストレートになる発想を、まっすぐなままひねったような、そんな感覚。紙を裏返した、折り返したとも。
 真逆の単語を組み合わせた感覚とも違います。あちらが補色なのに対して、こちらはあくまで単色。
 おおと感銘を受ける発想ではあっても、「分かる」んです。
 突飛ではないからこそ受け入れやすく、分かりやすい。
 ときには想像するかもしれないシュールな光景がツッコミ不在で展開されます。あまりにも堂々としすぎて、そういう世界なのだと受け入れざるを得ません。
 抽象性を排した説明も相まって、解像度が高いです。
 ネタの引き出しが豊富ですね。ショートショートの醍醐味――完成形とすら思えるほど、洗練された内容です。それが何連も連なっているものだから、内容も濃いです。
 ある意味ホラーかも。
 いやギャグか、コメディか。
(……無印に載せるべきじゃないかと思いつつ、読んだのはこちらなので、まあ)

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