苦境・障害に立ち向かう中でも不思議と前向き。
明るい未来が待ち受けているだろうと予感させるストーリーです。
これはきっと主人公が明るく、前へ進もうとする意思が強いからだと思います。
砕けた文を使ってあるのが、親しみやすく、身近に感じました。
また、脇を固めるキャラクターたちの個性を描き、キャラを立ててあったのがよかったです。どことなく臨場感があります。
難しく専門的な題材でしたが解説・状況説明がていねいで、すんなりと呑み込めました。
一文の中に時や舞台を書き込んであるのが、細やかな印象を受けました。最初から全てを話すのではなく、伏線を張りつつ情報を出していくのがいいです。
時系列を遡る構成がドラマティックさを演出。クライマックス直前で谷を設けることで後の展開を引き立て、思いっきり盛り上げる。思わず一体となって「おおおおお」と叫びたくなる衝動に駆られます。
未来が開けるような気持ちの良いラストシーンです。