第20話
翌日
午前中に光森さんが訪ねてきた。
アニメ連荘で見たあとにHしたもんだから寝不足でクソ眠い。
「お二人の戸籍のことなんですが、名前はどうしましょう?」
「漢字じゃないとダメなんですか?」
「いいえ、ひらがなやカタカナでも大丈夫ですよ」
「テニアどうする?わたしはカタカナでいいや」
「わたしもそうする」
「お二人の苗字は?」
「面倒だから長谷川でいいんじゃないかな?」
アテニアンでは一般人は苗字は無い。神官になる前は二人とも一般人だったからだ。ヒルメイの場合、本当は違うけど。ヒルメイの身体のことを明かす関係で、地球より少し進んだ世界から来たことにしてあるので、二人のフルネームは、テニア・ヴィラトニとヒルメイ・マシリナになっている。なお転移してきた世界の名は俺たちがつけたアテニアンがそのまま使われ、口裏を合わせるための情報はヒルメイがテニアの御神体に送ってあるため、齟齬が出ることは無い。
「確かに。ヴィラトニとか漢字にするのめんどくさそうだな。マシリナは出来なくもなさそうだけど、字面が珍走団になりそうだ(笑)」
「それではそのように」
「一応聞きますけど。二人ともお嫁さんにするのって・・・」
「さすがに無理ですね。一夫多妻の国に帰化すれば可能かもしれませんが、お二人のことを考えれば、許可が下りるとは思えません。海外旅行も難しいと思います」
やっぱそうなるよなあ。苗字同じだからいいか?
「ダーリン、テニアとだけ籍を入れればいいよ。わたしは気にしないから」
「いいの?ヒルメイ」
「一番はテニアって、最初に自分で言ったじゃない。ホント気にしないで!ダーリンが愛してくれてるから大丈夫!」
「すまないな、ヒルメイ」
光森さん、この男は・・・って目で見ないでください。俺は押し切られたんですから。
「では明日には手続きは終わると思います。それと実印もこちらで作ってしまいますので、明日お持ちしますね」
「何から何までありがとうございます」
「いえいえ。それでその後なのですが、お二人にはまたお話を伺わせていただきたいのですが?」
「わかりました」
「俺は一緒でなくてもいいですか?」
「はい、長谷川さんにお話を聞く予定は、今のところありません。お二人に聞いた内容によっては、聞くこともあるかもしれませんけれど」
俺だけ自由ってことね。見張り付きだが。
「ダーリン何かすることあるの?」
「んー・・・したいことは二人と一緒じゃないとだめなことばかりなんだよな。あー、カタログとかもらってくるか」
「なんの?」
「式場とかウェディングドレスとか?」
「わぁっ!式とか考えてくれてたんだ?」
「当然だろ?嫁二人でもいいのか聞いてみる」
「ダメでもわたしは式とか気にしないから」
「でも出来るならしたいよね」
翌日、二人が出かけた後、俺は一人で結婚式場を見てまわった。どこでも嫁が二人って言うとビミョーな顔されたけど、ダメってことはないらしい。
でもよく考えてみると、呼ぶ奴いねえんだよな。兄貴たちなんか、事後に結婚しましたってハガキ送ればいいだろ。教会か神社で三人だけでやればいいか?二人の好みの衣装はどんなだろう?
やっぱり二人が一緒の方がいいな。明日にでもまた来よう。
あ、指輪もいるじゃん!
心霊スポットだと思って調査しに行ったら異世界美人をひろった話 爆滓 @U-J
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。心霊スポットだと思って調査しに行ったら異世界美人をひろった話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます