いたい、くるしい、だけど生きていく。思春期をリアルに感じられる短編集。

痛くて、苦しくて、うずうずとして。
それでも、もっと読みたい、摂取したいと思ってしまう。なんだか中毒性のある短編集です。

思春期って、だれもが通ってきた道なのに、それを言葉で表現するのってなかなか難しくて。
それに思春期のころから年数がたてばたつほど、本当に『色褪せて』しまう。思い出したくても、かすんで、色彩が減って、よく見えない。
だけどなぜかこの作品では、その思春期がクリアにみえる。

そんな思春期に出会える短編集。息づかいが聞こえてきそうなほど、近くに感じられる『思春期』です。