愚かで孤独な彼女が、夜の欲に翻弄されて開いたものは……

「妖は徳に勝たず」という諺があります。
ならば、人間の悪徳の爛れた傷口に、妖かしは仔を産みつけ育てるのでしょう。

主人公をとりまく悪徳。そして彼女自身の悪徳。その彼女を産み育てた土地の悪徳。
繭がほどかれるたびに明らかになってゆく人の汚さと、そこに妖しくも美しく羽を広げる妖異の姿を、どうぞ見届けて下さい。

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