これぞ甘くない異世界 ⚔️ 復讐の荒野を駆けながら少年は強くなる 💥

 夢のような平和な時は露と消えた。
 村を家族を仲間を、全て失った少年は憤怒の炎に身を焦がし、満身創痍で復讐に挑む。

 旅の先々でいろいろな業や想いと出会い、また別れ過ぎ去っていく。
 ここは悪人も良き者も関係なく淘汰され、ただ狡猾な者だけが生き残れる、無慈悲でシビアな世界。

 そんな彼を支えるのは、生き残った健気な少女と、クセのある気のおけない旅の道連れたち。

 本来なら悲愴感に押し流されそうな世界観も、どこか乾いた作風が、不思議とネガティブな感をいだかせない。

 また名著『世界の魔獣』からの興味をそそられる魔獣紹介や、随所に挿入されるシニカルな展開に思わずニヤリとさせられる。

 一生出遭いたくないような魔獣でさえ、つい一度は見ておきたいと思わせてくれる、そんな魔力ある作品です。