第4話

自律思考型集積魔法回路(Autonomous Thinking Integrated Magic Circuit)、ATIMC。アティマックとこの喋る魔法陣の束を名付けた。

通称はアティである。


アティはよく喋る。

兎に角よく喋る、常に私に話しかけてくる。

本の読み聞かせが一番のお気に入りのようだが、基本的には暇を持て余しているだけだと思われる。

これでは研究にも支障が出てきてしまうと考えた私は、どうにかしようと考えた。

何も思い浮かばなかった。


そこで気分転換も兼ね、久しぶりにダンジョンで素材回収を行う事にする。

ダンジョンへ入るには探索者組合で入ダン手続きをする必要があるため、準備を終えた私は探索者組合へ出かけた。


最近、探索者組合に来ると、私の方を見ながらヒソヒソ噂話をする者が多い。

これは、私がスライム除草剤の開発者であることが起因しているようだ。


つまり、私がスライム除草剤を開発した事により、ダンジョンの浅層でスライムの乱獲が起こり、それによって浅層はまるで密林の如く人の背丈ほどの草がお生い茂る事となった。そのため浅層はモンスターの奇襲万歳な危険地帯へと変貌してしまったらしいのだ。

そのような理屈で私を逆恨みするのはどうかと思うが、浅層に潜っていた低級の探索者達には死活問題だったらしい。かくて私は低級探索者の嫌われ者となり陰口にさらされると言う分けだ。


風が吹いたら桶屋が儲かる。

私は損しているが。


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ダンジョンがある世界で発明家を目指す! ~いつの間にかマッドサイエンティストとよばれてました~ 田楽 @dengaku48

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